This is US

 「What is ULTRAS?」の項でも述べたが、サッカーチームがあり、そこにスタジアムがあれば、ウルトラは必ず生まれる。我がコンサドーレもまた然り。その名は「US(ウルトラス・サッポロ)」。 
 背中に「CURVA NORD」の文字が踊る揃いのTシャツに身を包み、常にゴール裏中央で迸る情熱と気高き誇りを胸にスタジアムの応援をリードする集団である。USの歴史はそのままコンサの歴史であり、1996年にコンサが札幌に生まれてからいつも傍にはUSがいた。ただ、残念ながら僕は初期のUSを知る人間ではないし、USについてそれほど多くを語れる人間でもない・・・が、30に片足を突っ込みながら、高校生や大学生が大半を占めるUSに混じり始めて2年目を迎えている。今年からはUSのTシャツに身を包み、首にはUSマフラーを巻きつける。見た目は完全にUSである。とはいうものの、そもそもUSというのは任意の集団だから、僕はUSです!といえば、その日から立派にUSである。年齢制限もなければ審査もない。ただ一つ「一所懸命応援すること!」これだけが絶対条件である。だから、ゴール裏中央で「一緒にやりたい」と思う人はどんどん中に入ってきて欲しい。特に若い人。僕みたいな人間が真ん中にいておいて言うのもなんだが、ここに必要なのはやっぱり「若い力」だと思う。遠目からでも、すぐ隣からでも、一度でもUSを見たことがある人は思うだろう。「大変そう・・・」と。US UNIFORM
 そうなんです、大変なんです。90分フルタイムで応援し続けるにはそれなりの体力がいるし、あの密集地帯では隣の人の肘や腕が当たるのは日常茶飯事で、応援のボルテージが上がってくる(もしくは著しく下がる)と水が捲かれるから、それを頭から被ることもある。でも、あそこにいると、そんなことは「全く」気にならないほど集中できる。というか没頭できる。
 僕のようなトシの人間でも、あの応援POWERの中にいると、どこからか力が沸いてきて最期まで頑張れる。試合が終わると、声は出ないしまともに歩けない状態になっているのに、試合中はそれすら忘れてしまうのだ。このように、自分の身体で応援POWERというものを実感してしまうと、応援に手を抜くことが出来なくなる。応援の手を抜き、応援の総合POWERが落ちると、選手に伝わるべき力がそれだけ「減って」しまうのがわかるからだ。だから必死になる。必死にやる人間は多いほうが良いに決まっている。それも、トシの人間よりも若い人間の方が良いに決まっている。
 そして、USのもう一つの醍醐味は、試合を「創る」ことが出来るということ。そんなバカな!と思うかもしれないが、これは本当なのである。
 僕自身、これはUSに混じってみて初めて気付いたのだが、彼らは試合を「コントロール」しようとしている。例えば、コンサが敵陣内でボールを奪い、速攻を仕掛けようとした時は「ハイテンポ」のコールを送り、コンサの「速攻」を誘導しようとする。逆にコンサが自陣深くでボールを奪い、遅攻で敵DF陣を崩そうとした時は「ローテンポ」のコールで、コンサが「攻め急がない」ように誘導しようとする。ただ、やみくもにコールを繰り返している訳ではないのだ。試合の流れを読み、黙って見ている時間帯だと感じれば黙って見ている時間も創る。今季、その顕著な例がPKのシーンで、俺王がPKスポットにボールをセットした瞬間、ゴール裏では咳一つしない。また、自陣で敵にCKを奪われた場合、洋平が壁に指示を与えている間は「洋平コール」はしない。特に、札幌ドームではここに注意しないと、洋平のコーチングが壁を形成する選手に「全く伝わらない」事が予想される。彼らはそこまで考えているのだ。CURVA in DOME
 こうやって試合の流れを常に読み、今コンサにどういった形のサポートが必要なのかを考えながらサポートしていると、コンサの選手たちと「呼吸」があってくる時がある。攻める時、守る時。その流れをゴール裏が創りだし、それに選手が乗る。これは、選手と共に戦っている!という感覚に昇華し、このサポ冥利に尽きる最高の感覚は、ここでしか味わえないものだと思う。
 応援というのは、ゴール裏に限らず、A自由やバックスタンド、そしてメインスタンドでも、そこそこにあった形で行なわれるものだと思うし、それで良いと思う。ただ、その応援についてはゴール裏、細かくいえばUSに依存している部分があるのも否定は出来ないだろうし、もしUSにスタジアム全体を引っ張るPOWERがなければ、スタジアムをあの強烈な「一体感」で包むことも出来ないだろう。
 だから、USは常に必死なのだ。一秒でも永く、あの「一体感」を持続させたいが為に、全身全霊を傾ける。8/18ドームでのFC東京戦時、「5−2」とされた時点で、ゴール裏全体の応援POWERは明らかに落ちた。その他の席では、試合途中だというのに、席を立った人もいたようだ。皆さんお金を払って試合を見に来ている訳だから、どのような行動にでても、それは皆さんの自由だと思うのですが、これだけは言わせて欲しい。あの時、USを始め中心部にいた人間は誰一人としてコールのトーンを落とした者はいなかったし、逆に5点目を決められた瞬間、なんていうか、凄く「結束」したように感じた。そして、それまで以上に声を出し、それまで以上に跳びまくった。
 それでも、もう二度と試合開始直後の「一体感」をドームに呼び戻すことは出来なかった。試合に負けたことは勿論、それにも増して、自分達の力のなさにも愕然とした。どうにもできない自分達が歯痒かった。もっと僕らにPOWERがあれば、途中で席を立った人に、もう少し見てみよう!と思って貰えただろう。というより、どんなことがあろうと、試合終了の笛が鳴るまで、あの「一体感」を持続させることが出来れば、そんなことが起こる筈はないのだ・・・。
 だからゴール裏。そしてなにより、USは力が欲しい。どんなに劣勢に追い込まれようとも、試合終了の笛が鳴るその瞬間まで、スタジアムをあの「一体感」で包んでいられるような、圧倒的なPOWERが。
 ある特定の人間たちがそういった力を持つことに反論される人もいると思うが、USは決して排他的な集団ではないし、他のサポーターとの対話にも積極的である。だから、海外の「ウルトラ」のように先鋭化・狂暴化することはないだろうし、それは僕たちがそういう方向にもって行かせなければ良いことだと思う。コンサドーレというクラブと同様、USも発足してから僅か「5年」。まだまだ子供だと思う。USの歴史は僕らと共に今後10年、20年と続いていく。その創世記に関われたことを僕自身誇りに思うし、いけるところまでいこうと思っている。自分の体力と相談しながら・・・。
 そしてホントにトシをとり、いつの日かメインスタンドから、札幌色に染まった札幌だけの「CURVA NORD」を眺めてみたい・・・。
 
 最期に、USがホームで発行している「US TODAY(8/18FC東京戦時)」に掲載された文章を、執筆者である上村くんに特別に許可を頂いて掲載します。
 これまで僕が書き進んできたこと、そしてこれを読んで、ゴール裏とUSに興味が沸き、一緒にやってみたい!と思ってくれる若者が一人でもいてくれたら・・・と願う。USは「本気で頑張る」人間を常に求めているから、気軽に声をかけてみて欲しい。

記・2001年9月

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 ウルトラ・サッポロってナンデスカ?

 と、亮君が最近よく聞かれると言っていたので、もう一度確認する意味でも2001年の状況も交えて話していきたい。まあ、ありきたりのことになるのだけど、USは基本的に応援したい奴らの集まりでしかない。OSCでもないし。それは1996年にチームが出来てゴール裏に集まったときからそうだし、チームと共に歩んできていろんな経験をしても、今に至るまで変わらないもので、それはこれからもそうだと思う。だからやる気のある人なら誰でも入ってきて欲しい。
 USは札幌で最も強力なサポートをしなくてはならない。それはこのポジションにいるなら当然しなくてはならないこと。不遜であることを承知で言わせてもらえれば、俺達とテレビで見ている人たちは決して同列ではない。なぜならば、俺達は汗をかいているから。俺達の声は選手に届くから。だからこそ俺達は、ここにいる役割をもっと理解しなくてはならない。やるべきことをやらなくては、ここにいる意味はない。札幌の応援の中心であるという誇りと責任を持って選手と共に戦おう。 
 正直、札幌のゴール裏はあまり声がでていないと思う。ただ、子供から高齢者まで家族連れが多いし、そういう人たちにに俺たちのやり方を押し付けることは出来ないしするべきではない。それぞれの状況に見合ったサポートのやり方があるわけで、それぞれがそれぞれのやり方でチームをサポートできればそれでいいと思う。
CURVA in Muroran
 この前「USってすごく頑張ってるんですねー、びっくりしました。」と言われた。初めて近くで見たという人だった。誉められて悪い気はしないが、裏を返せば遠くからではよく分からないということだ。さらにそれでは選手にも伝わっていないということになる。選手に伝わらないなら、いくら一所懸命やっても0でしかない。何の意味も持たない。俺達の役割はホームの雰囲気を創りだすこと。札幌の選手にはもっともプレーしやすく、アウェイの選手にはもっともプレーしづらい環境を提供すること。CURVAでは自分達の全てをそのためにささげたいし、横断幕・ゲート旗・小旗・人文字等色々な手段で選手にメッセージを伝えたい。もっと、いろんな人たちに集まってきて欲しい。そして、強い気持ちを持ってきて欲しい。俺達はもっと出来るはずだし、これくらいしかできないしょぼい奴らじゃないはずだ。2ndは後半絶対にきつくなると思うし、今日だって楽なゲームなんかじゃない。今年のホームゲームはあと8試合。俺達のそして札幌の力を見せつけよう。                 [上村 至]

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