番外編 天皇杯3回戦 横浜Fマリノスvs市立船橋高校
「なるか!?あってはならない、GIANT KILLING!!

 2003年12月14日。横浜は熱かった…。

 日曜の朝一に千歳を経つと、MILANvsBOCAまでは時間がある。
 ってことで、同じく横浜・三ッ沢で行われた天皇杯3回戦へGO!!だ。
 滅多にお目にかかれない、高校生にして全日本ユースチャンピオンとJ1チャンピオンとの対決。
 12月だというのに、汗ばむ陽気の三ッ沢は満杯に近い状態になっていた。
 横浜にとってはホーム最終戦という事もあったんだろうが、いきなりの『マジ応援』にまずはビックリ!?
 市船のエース、カレン・ロバートには本気モードのブーイングが炸裂し、高校生相手に思いっきりホームの雰囲気を創り出している。
 入江とは大違いだ(笑)
 この雰囲気に高校生達は呑み込まれてしまったのか、試合の立ち上がりでいきなり2失点。
 横浜がJ1チャンピオンの面目躍如といった感じで、ゲームの主導権を鷲掴みする。
 つか、この時点でゲームは終わったと思った。
 それでも『マジ応援』を辞めない三ッ沢CURVAには更にビックリ!!!
 でも、ここからがこのゲームの面白いところだった。
 横浜はゲームの主導権を握ったまま、市船陣営を縦横無尽に切り裂いていくのだが、いかんせんフィニッシュの精度が低過ぎた。
 ゴール前、フリーでのヘディングが枠を外してみたり、キーパーの正面を突いてみたり…。
 この時間帯でもう一点決まっていれば、一気に大量点からワンサイドゲームになっていたことだろう。
 だが、市船の必死な踏ん張りが横浜に追加点を与えず、試合は横浜の2点リードで後半に雪崩れ込んでいく。
 
 後半に入っても横浜の優位は揺らぐことはなく、幾度となく市船ゴールを脅かす。
 が、脅かすだけだった(笑)
 そして必死に耐え続けた市船へサッカーの神様のご褒美なのか、市船のフリーキックを下川がファンブル!!
 これを狡猾に決められ、まず1点差。
 どんな理由があろうとも、1点は1点。高校生にJ1チャンピオンが失点を喫するという屈辱的な瞬間だ。
 しかもこれで、どうにもバタバタし始めた横浜。
 ただでさえフィニッシュの精度が低いのに、今度はクロスもパスも通らなくなる。
 歓声に包まれていたCURVAから野次と罵声が多くなり、三ッ沢の空気が濁り始める。
 そうこうしているうちに、市船の見事なカウンターが炸裂!
 これが全日本ユースチャンピオンの実力。ザスパを破ったのは決してフロックではないようだ。
 カレン・ロバートに右サイドをブッちぎられた横浜デュフェンス陣。
 3人でマークに行って、縦を切ったつもりだったのだろうが、完全に振り切られてゴール前に絶妙なラストパスを送られる有様。
 これをあっさり決められて、まさかの同点!!
 市船が完全に力で奪ったこの得点に騒然となる三ッ沢。
 ひっきりなしに飛ぶ罵声と怒号。
 2−0からの同点劇。こうなると当然ながら立場は逆転して、市船がゲームの主導権を握る。
 だが、哀しいかな、後半終了間際に市船は退場者を出してしまう…
 市船の応援団からは金属音のような悲鳴が鳴り響き、三ッ沢CURVAでは喝采があがる。
 ちなみに主審は北村でした(笑)
 これで、J1チャンピオン相手に10人での戦いを余儀なくされた市船だが、一歩も引かない戦いを展開する。
 容赦のない罵声に包まれながら始まった延長でも、足を引きずりながらひたむきにボールを追う。
 ピッチ上のあちこちでつった足を伸ばす光景が繰り返されても、若い気迫は萎える事を知らない。
 対して横浜は市船のこのひたむきな気迫に気圧されしたのか、決定機という決定機をことごとく外し、
 やっとのことでゴールネットが揺れたかと思えばオフサイド…。
 歓声と悲鳴に彩られながら、横浜は10人になった高校生に延長の30分を凌ぎきられ、遂に決着はPK合戦へと突入。
 『ありえない、ありえない!!』
 ほとんど呆れかえったような罵声に包まれた三ッ沢。
 『PKなら何が起こってもおかしくない…』
 J1チャンピオンのプライドは、高校生に敗れ去って地に堕ちるのか…とてつもない焦りが三ッ沢に渦巻く。
 太陽もすっかり傾いてきたということで、アウェイサイドでのPK合戦に突入。
 初めて生で見るPK合戦。
 一本。そしてまた一本。ネットが揺れるたび、キーパーがセーブするたび、三ッ沢がどよめく。
 そして3時間近くに及ぶ、激闘に遂に終止符が打たれる…。
 最後は横浜が意地を見せた格好となったのだが、この日の実質的な勝者は市船だったといって差し支えないだろう。
 三ッ沢のTIFOSIたちも同じ思いだったようで、試合後挨拶に来た横浜の選手たちには、巨大ブーイングを送り、
 市船の選手たちには暖かくて盛大な拍手が送られた。
 この日、胸にぐっときたのは間違いなく市船のひたむきなサッカーだった…。

 薄氷の勝利を掴んだ横浜。
 届きそうで届かなかった市船。

 開催時期や日程について問題山積の天皇杯だが、時にはこんな試合を演出する天皇杯は、
 やはりなくてはならない存在なんだと思う。

コラムに進む。
三ッ沢外観 三ッ沢のピッチ 高校生相手にマジ応援のCURVA 歓喜と悲鳴が交錯した市船応援団 夕日に向かって運命のPK合戦 ブーイングにさらされる横浜イレブン 大歓声と拍手に迎えられる市船イレブン
「GAME REPORT」Topページに戻る。
 画像をクリックすると大きな画像が見れます。

  

※このページは画面サイズ『1024x768』で最適化されています。『800x600』だと右端にある『何か』が見えなかったり…。

    「野本貴金属加工所はコンサドーレ札幌のサポートシップ・スポンサーです」
    
このサイトは、野本貴金属加工所こと[NOMOKIKI]が製作・運営しています。
       また、このサイトにあるすべての画像と文章の無断転写・転載はご遠慮下さい。
  All Rights Reserved. Thank you.