〜観戦日記〜番外編

キリンカップサッカー2001 
7月1日 日本代表 vs パラグアイ代表
「代表がやってきた」

 札幌ドーム。クローズドアリーナでサッカーと野球、両方のプレーが可能な世界初の最新鋭設備を誇る「北の要塞」。今日はここに、日本代表がやってくる。札幌では初の「代表Aマッチ」。代表がやってくるということは、あの「ウルトラ・ニッポン」もやってくるということだ。これで、燃えないわけがない・・・。

 札幌ドームでは「初」となる、サッカー試合の開催。本来ならば、この名誉は我がコンサが授かるハズだった・・・。しかし、ナビスコ杯1回戦で「大分トリニータ」に負けた時点で、その名誉はするりと逃げていった。
 7/21には横浜Fマリ戦も控えていて、コンサ戦士たちよりも先に「ヨシカツ・マツダ・鳩?」らが、このピッチを駆け回るのは正直「おもしろくない」が、それもこれも誰が悪かって言えば「おまえらじゃ!(笑)」。
 ちゃんと大分に勝っときゃ、6/20にJubiloとヤレたんだよ〜(涙)・・・。

 さて、気分を取り直して、キリンカップ。この試合のチケットも最近のコンサのチケット同様、あっという間に「売り切れ」てしまったらしい。僕らも「ファミリーマート先行予約」で当たらなかったら(8通応募して1通しか当たっていない)、チケットを買えなかった可能性が高い。だから、この試合を「見たくても見れなかった」方たちの為にも、今回の観戦日記は「ドームの雰囲気40%増量」です。って、試合内容がかなり寒かったせいもあるのだが・・・。ナメたらいかんよ、少年サッカー

 快晴の下、ドームに着いたのは10時ちょっと前。いつものように36号線側の階段を登ると、ここですかさずチケットチェックが入る。それをパスすると、まだお客はまばらだったが、代表グッズ売り場のテントがあるスペースに着く。そのまま直進すれば「北ゲート」だが、今回は「ウルトラ・ニッポン」に紛れこむ為にドームを左回りにぐるっと回って「南ゲート」へと向った。ドームへ来るのはこれが3度目(オープニング・セレモニーと、もっとCONSADOLEに続き)だから、慣れたものである。
 そして南ゲートに到着すると、すでに結構な列が出来あがっていた。しかも「代表レプリカ」に身を包んでいる人の多いこと多いこと。コンサが着実に根をおろし始めた札幌には、サッカーという「文化」そのものが、根をおろし始めているのかもしれない・・・。
 また、辺りを見渡して目につくのは、見慣れない「青一色」という風景ばかりではない。
 警察官と警備員が「うじゃうじゃ」いるのだ。W杯本大会を睨んだ「本番用」の警備なんだろうけど、それにしても凄い数。しかも、警察官は「爆発物捜索犬」まで連れている!働くワンちゃんも大変ですね。
 こんな風に警備の「ものものしさ」に驚いているうちにも、僕らの後ろにはたくさんのサポが連なっていく。容赦なく照りつける真夏の太陽の下で、暑さに耐えながら、ただひたすらに開場を待っていたが、これに見かねた主催者側の英断で12時開場の予定が30分早まり、11時30分には遂に開場を迎えた。
 手荷物検査を手早く済ませ、さあドーム内へ!「走らないで下さい!」という声に耳を傾けるサポなどおらず、一旦階段を降り、皆凄い勢いで南ゲートへ突進。ここでようやくチケットをもぎられ、ドームに侵入。ここから再び走る走る!がら〜ん、としたコンコースを突っ走り、とにかくスタンド入場口を目指す。段飛ばしで階段を登りきり、スタンド入場口を抜けると、眼前に広がる「新緑のホバリングステージ」が僕らを出迎える。「おお〜!」というどよめきで、その場に立ち尽くすサポ(多分、初めて来たんだろう)の横をすり抜け、アウェイ側のゴール裏へと更に走る。急な階段を駆け下り、目的の場所へと到着。そこには既に、「ウルトラ・ニッポン」の青い「たすき」が掛けられ、USの面々も顔を揃えていた。
 とりあえず、その右のブロックに陣取り一息つく。サッカー観戦(参戦?)にきて、一番ホッとする瞬間だ。
 さて、これから試合開始まで「3時間30分」もある。外であの太陽に「さらされる」よりはマシだが、それにしても長い!それならばと、時間潰しを兼ねて「激混み必死」の売店へと向ってみる。するどうだ、だ〜れもいない・・・。ケンタ・モス・プリンスホテル・後楽園ホテルなど、どの店もガラガラ状態。カウンターのおねえちゃんの「いらっしゃませ〜♪」の声が異様に響いている。オープニングセレモニー・もっとCONSAの両イベントで、痛い目に遭わされていただけに、かなり構えて行ったのだが、完全に「肩透かし」を食わされた。こうなると、かえって「迷っちゃう」もので、なに食おうかと散々迷った挙句、プリンスホテルの「焼きそば」に決定。って、それじゃ厚別と一緒じゃん!
 さ〜て、飲みものは・・・と。喉が乾いたから「コーラ」だな。と思って、メニューを見ると「コーラ」がない!なんで!?と一瞬ひるむが、刹那、あっ!と閃く。
 そう、この日は「キリンカップ」。「コーラ」を売ってるハズがないのだ。売っている炭酸飲料は「キリンレモン」と「メッツ・ガラナ」。その他も「キリリ・サプリ・聞茶」など、キリン商品が目白押し。ビールにいたっても、「キリン」のみという徹底ぶり。う〜ん、恐るべし「冠スポンサー」。
 そんなこんなで、「焼きそば」を頬張りながらピッチに目を移すと、サッカー少年達が一生懸命ボールを追いかけている。中でも目についたのが、手前のピッチ(フィールド全体を2面に区切って使用)でやっていた、赤いユニのチームの「7」を付けた少年。相手DFをキレイな切り返しで交わし、豪快なミドルシュートを打ちゃったりする。極めつきは、相手DFの裏を狙って「中田ヒデ」ばりのスルーパスを出した場面。これには正直恐れ入りました・・・。将来。コンサがキミを待っている。
フェアプレイ旗・旗手募集!
 その次に始まった「キリンカップ」ならではのイベントはというと、選手入場時に先頭きってピッチに入場する「フェアプレイ旗」の旗手を一般サポから募集するというもの。特大ビジョンに映し出される客席映像のなかで、最もアピールの大きかった人を選ぶという趣向だから、なんとかして旗手をヤリたいサポたちは、マフラーを振り回したり、その場で踊ってみたりと「必死」のアピール合戦を繰り広げる。その異様な光景にやんやの歓声と拍手が巻き起こり、妙な盛り上がりをみせるドーム。そして、ホーム側とアウェイ側の両ゴール裏から、それぞれ3名ずつ計6名が見事にその大役を手に入れていた。
 それが終わると遂に、選手たちがピッチに姿を現し始めた。といっても、先に姿を見せたのはパラグアイ勢。中でも大人気だったのはもちろんこの人「異色GK・チラベルト」だ。前々からJリーグでのプレーを希望し、フランスW杯直前のキリンカップで来日した際には、当時所属していたアルゼンチンのクラブでの経験談を日本で語り、これが元でアルゼンチンを「追放」されたこともある。試合の前日には、札幌という街がたいそう気に入ったらしく「コンサ入団熱望」をぶち上げちゃったりしたらしい。でも、ごめん。コンサはGK足りてるから・・・。
 それを知ってか知らずか、両エンドのゴールを下見しては、ドームの観客に愛想良く手を振り、スタンドから大歓声を浴びていた。凄い人気ぶりでしたね、確かに。しかも、後の席に座ったコンササポのお兄さんが連発する「ジネイだ!ジネイ、お帰り〜っ!」の声にも、反応して手を振り返したような気がして、かなり笑えた。
 人気といえば、日本代表のエンブレムにある「やた烏」をモチーフにしたマスコット「カラッペ&カララ」のコンビも、「キャイーン」やら「命」やら「炎」やらのパフォーマンスを披露し、スタンドから喝采を浴びてたっけ。
 随分と時間は経ったが、試合開始迄にはまだ時間がある。この時間を利用して、アウェイゴール裏では「ウルトラ・ダンマク」のテスト掲揚を実施。世界中のスタジアムを旅してきたこのダンマクも、札幌ドームは初デビューとなる為、どの位置でどの角度で広げるのが一番ベストなのかを入念にチェック。しかも感心させられたのが、僕らの左後方にはパラグアイのサポーター集団がいて、その部分には決して「被らない」ように、何度も調節していたところ。う〜ん、ヤルな「ウルトラ・ニッポン」。 
 そんなこんなで、3時間以上あった待ち時間もなんとか消化し、いよいよ日本代表の選手たちがピッチ練習に姿を現した。待ったましたとばかりに、割れんばかりの拍手と歓声、そして厚別では絶対にお目に掛かれない「フラッシュ」の閃光が、代表たちを出迎えた。
 これからここで、初の「代表Aマッチ(しかも、国際Aマッチ)」が始まるんだという、いいようのない高揚感。そして、いつまでもざわめきの収まらないドーム。
 ここで両チームのスタメンも発表となり、遂に両ゴール裏の応援合戦も本格化。ホーム側に陣取るは、Jリーグサポの集合体で通称「J連」。そして僕らの陣取るアウェイ側が「ウルトラ・ニッポン」である。僕らの右隣にも日の丸の大旗を振り上げる集団がいて、これってドコ?「J連第2支部?」。ま、いいか・・・。
 何度となく「ニッポンコール」が繰り返され、代表Aマッチの実感が「じわじわ」と沸いてくる。しかしその最中、突如として発せられた、ヒロくんの「サッポロコール」。「どさくさ紛れ?」が効を奏したか、一瞬「ん?」と固まったゴール裏だが、次の瞬間には「サッポロコール」の大合唱。後にも先にも「サッポロコール」はこれっきりだったが、代表の試合で「サッポロコール・デビュー」とは、「US」もなかなかヤリます。
 ドームは既に超満員。ゴール裏もウォームアップは終了したし、あとは本番を待つばかりとなった。ウルトラ・ダンマク

 普段のJ公式戦とは、とうてい比較にならない数の報道カメラが、選手入場口のスロープ一点に集中している。今か今かと待ち侘びるドームじゅうのサポの想いが募り、ドームが妙な緊張感に包まれていく。そして、その緊張感が頂点に達した時、時計の針が3時を指し、ドームを埋めた満員のサポーターが待ちに待った瞬間がやってきた。
 「パーンパパパーンパーン パーンパパパパーン」
 お馴染みのテーマが流れ、両国の選手が「フェアプレイ旗」を先頭にピッチへと歩を進める。ただ、残念ながらこの場面は「ウルトラ・ダンマク」の真下に陣取る僕らには窺い知ることはできない。あくまで、想像です。ちなみに今回掲載した「ウルトラ・ダンマク」にカーソルを合わせると、ダンマク直下の貴重な画像が表れます。ダンマクの下はこんな感じなんですね。
 やがてダンマクも撤収となり、ピッチ上では両国国家の斉唱となる。パラグアイの随分長めな国歌(10番位まであるのかと思った・・・)が終わりを告げると、今度は日本の番。とそこに、国歌斉唱は「石井竜也」さんです。のアナウンスが!あまりにビッグなゲストの登場に「おお〜!」というどよめきが起こり、色めき立つサポたち。
 特大ビジョンに映る「てっぺいちゃん」を眺めながら、一緒に国歌を斉唱する。コンフェデの決勝といい今回といい、最近「君が代」づいてるなぁと感慨にふける。
 国歌斉唱が終わると両国の選手たちはピッチへと散り、いよいよ試合開始へのカウントダウン。
 両ゴール裏も全開の「ニッポンコール」で選手たちを鼓舞し、遂に試合開始の笛が鳴った。
 
 で、試合の方は申し訳ないのですが、あまり「書くことない」です。
 結果はご存知のように「2−0」での完勝で、申し分ないと思うのですが、いかんせん内容が・・・。チラベルト
 ただ、チラベルトはやはりタダモノではなかった。何度となく、「超」正確なプレースキックとパントキックを披露し、ゴール前30m付近からでも、直接FKでゴールを狙う。この時ばかりは、さすがに強烈なブーイングを浴びていたが、充分札幌ドームを沸かせてくれた。って、勝ったから言える余裕の言葉だな・・・。
 また、パラグアイというチームは、言い意味で南米のチームらしくなくって、まず「守備ありき」なんです。GKのチラベルトを軸に、まずはしっかり守る。そして、中盤でのパスカットを基点にして速攻を狙うというのが基本的なパターン。つまり、自分たちでボールを回す訳ではない為、日本代表がボールを持ってる時が、彼らの「攻撃チャンス」ということになります。
 そう考えると、日本代表は巧く中盤を支配し、パラグアイに攻撃の糸口を掴ませなかったという点においては、まずまず成功したと言えると思う。攻撃の基点を左サイドの「伸ちゃん」に固定(それ自体は気に入らないが)したことによって、パラグアイのDF陣を右サイドに「引き付ける」事に成功。その結果できた、中盤の「空きスペース」を巧く利用し、攻撃を組み立てていたようだ。しかも、試合を重ねる毎に精度を増していく伸ちゃんの「左足」からは、何度も絶妙なパスが放たれ、前半の16分。遂にヤナギのゴールをお膳立てした。ただ何故、ヤナギと1対1になったチラベルトはあの時、前に出なかったんだろう?それだけは未だに不思議だ。
 更に後半開始からわずか5分。するするっと真ん中に滑り込んだ伸ちゃんが、絶妙なスルーパス(これは右足)をまたしてもヤナギに供給し、この日2点目。まさにキリンカップ男!
 札幌ドームを埋め尽くしたサポーターのボルテージも最高潮に達し、イケイケ押せ押せの展開。ただ、これ以降、日本代表がドームを沸かせることは無かった。ただ一度、「ゴン中山隊長」がピッチに踊り出た時を除いて・・・。
 
 結局、ゲームは消化不良のまま終了してしまった。
 コンフェデ決勝の時と同じく「ストレスだらけ」な雰囲気が大半を占めるゴール裏。皆の口からは「なんだよ〜」とか「ヒロヤマ見せろよな〜」といった、不満の声があちこちから聞こえた。 
 皆の気持ちを一言で言うならば「物足りない」試合だったということなんだろう。
 それでは何故、「物足りなく」感じてしまったのか?
 それは明らかに「ゲームプラン」が欠如していたからだ。
 2点目を奪われ、モチベーションが完全に下がってしまったパラグアイ相手に拙攻の連続。最悪なのは、コンフェデ決勝と同様、伸ちゃんを下げて「松尾伴内」・・・いや、「服部」を入れた時点で、攻撃の型が無くなってしまったこと。左サイドからの攻撃を捨てたのならば、次は右サイドの攻撃を重点的にというのが常識的だと思うのだが、トルシエジャパンの「最終兵器」とまで言われ、鳴り物入りで代表に加わった南米のヒデこと「ヒロヤマ」は最後まで使われることがなく。ドームじゅうの溜息をかっていた。
 しかも、何をどうしたいのか?が全く理解できない選手交代に終始し、これについてもゴール裏からは不満ダラダラ。
 確かに今回の「キリンカップ」は、コンフェデで準優勝なんかしてしまった為に目標設定が難しくなった感はある。というのも、準優勝という結果から得た自信を「失いたくない」という気持ちが先行してしまった為に、積極的な攻撃や選手起用が完全に「封印」されてしまったことが原因だ。代表イレブン
 危険を冒してまで、攻撃しろとは言わない。だが、何度も言うがW杯本大会までは、こういった国際試合は「大事な時間」なハズなのだ。森岡が、持ったボールの出しどころを探し、横パスとバックパスを繰り返すような「ムダな時間」は、極力失くしていきたい。右サイドから崩して、ちゃんとシュートまで行ける形なり、ドリブルでの中央突破なり、攻撃面では「やらなければならないこと」がいくらでもあるハズだ。 
 そう考えると、あの日のトルシエの選手起用からは「勝ちゃいいんだろ!」的な発想と、「俺が監督なんだから、選手起用は俺が決める!」という、ヒロヤマ待望論に反発する子供的な「意地っぱり」しか感じることが出来なかった。
 単純に、あの日札幌ドームに集った39000人のサポーターは、ヒロヤマを楽しみにしていたハズだ。それを知っていながら、5人目に「ヤマシタ」を使ったトルシエ。日本代表を支えているのは「サポーターだ」という意識があれば・・・。と思ってしまう。「ヒロヤマ」は結局、次節の「ユーゴ戦」でも使われることが無く、あまりにもサポーターの気持ちを無視した選手起用が続くと「信頼」という、かけがえのないものを失くしてしまうのではないかと思うのだが。どうだろう・・・。

 それでも、札幌ドーム初となる「代表Aマッチ」は日本代表の勝利という最高の形で幕を閉じ、警備上の問題も・・・と思ったら、試合終了直後の表彰式の最中、バックスタンドから飛び降りた2人の男が、猛然とピッチに突進するというハプニングが発生。1人はピッチに侵入する直前に警備員に取り押えられたが、もう1人はそれをうまくかわし、誰もいなくなったピッチの上をメインスタンド方向へ豪快に横断。あと一歩で「ヨシカツ」に届きそう、という所で警備員に捕まり、ボコボコにさらながら、引きずられていった。どうやら、札幌ドームは、バックスタンドが盲点らしい。両ゴール裏フェンスは5m以上あるから飛び降りは絶対ムリだし・・・。
 ゴール裏での応援も充分すぎるほど堪能できたし、7/21のFマリ戦に向けていい下調べが出来たと思う。初めてドームに来た時は、こんなところで「サルト」なんかできるのか?と思ったが、前にも後にも人がびっしり詰まってしまえば、さほど恐怖を感じることもなかった。音響の面では天井の「吸収板」が効いているようで、それほど「ウルサク」感じることはなかったが、実際コンササポがドームを埋め尽くせばまたちょっと違うかもしれない。
 ピッチで試合をした選手もドームが初めてなら、僕らもここのゴール裏は初めてだった。今後、何戦か消化するとここでのゴール裏のサポートも一定の形が出来上がると思う。
 
 2001年7月1日。夢の扉は開かれた。
 2002年6月1日に向けて、ドームはこれからも加速し続ける。
 まだ、夢は始まったばかり・・・。   

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