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2ndステージ第15節 サンフレッチェ広島戦
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 「やるからには優勝を目指します・・・」
 柱谷元監督のこの言葉で、幕をあけた「2002 J.LEAGUE DIVISION-1」。
 ただ、結果はご存知にように、優勝を目指すどころか監督解任が2度も重なり、チームはシーズン半ばで空中分解寸前にまで陥った。
 史上最悪とまで思われた試合を厚別で見せつけられ、選手とCURVAとの絆を無残に断ち切られたこともあった。
 それでも、そんな酷たらしくて惨めなシーズンを送らされたチームでも、僕らが愛すべきチームは札幌しかない。
 ありえない・・・。
 選手、監督、サポーター。それぞれが、それぞれの想いを胸に最終節の舞台に集結した。。。
 
画像集に移動。 さすがに目の前で残留を決められて「喜びに打ち震える姿」は見たくない。
 それがCURVAに集うTIFOSIたちの偽らざる気持ちだろう。
 ただの消化試合にならずに済んだことを、広島には感謝してもいいくらいだ。もし、この時点で両チームのJ2降格が決まっていたら、さぞや空しい試合になっていたことだろう・・・。
 アウェイCURVAに掲げられた「命をかけて絶対残留」の文字は、広島の選手たちのモチベーションになっただろうが、僕らにとっても最高のモチベーションになっていた。
 「お前らも道連れだ!」
 ただ、札幌の選手たちのモチベーションが広島のそれを上回るとは、正直考え難かったのだが、CURVAが放つ熱気にあてられたのか、ゲームは序盤から激しい攻防を繰り広げた。
 選手たちの動きもいい。
 おそらくはJ史上最年少のツートップ「新居&相川」のAAコンビがピッチ上を所狭しと駆け回り、広島陣営を引っ掻き回すと、早くもゲームが動いた。
 前半の8分。左サイドから健作がゴール前にやわらかいクロスを放り込むと、それを相川が頭で落とし、ほとんど「ごっつぁん」状態で小倉が先制ゴールを決めた。
 まさかの失点。J2地獄へ突き落とされるゴールを早くも決められ、言葉を失くす広島サポを尻目に、狂喜乱舞の札幌CURVA。
 「悪いが勝たせてもらう!」
 先制点を奪ったことで、勝利への欲が膨らんでくる。もう止められそうにない。
 市原・名古屋に連勝した事で、ドームアレルギーも払拭されているようで、厚別に負けるとも劣らない雰囲気が徐々にCURVAを包んでいく。
 だが、J1残留が懸かった広島も黙っていない。
 200人はいるのでは?と思わせる、アウェイCURVAで繰り広げられる魂のサポートに鼓舞されて、気迫の篭もったプレーを見せる。だが、逆にそれが気負いになったのか、絶好の場面でもシュートが枠から外れていく。
 溜息と安堵を何度となく繰り返す両CURVA。
 こういった試合は時間が経つのが早い。それだけ、サポートに集中しているということなのだろうが・・・。
 このまま、一進一退の攻防は後半戦へと雪崩れ込むかと思いきや、前半42分。札幌ゴール前でのこぼれダマが運悪く森崎Bros.(瞬間的には判断不能)の足元に転がると、きれいに同点弾を叩き込まれた。
 先制点を奪われてからちょっと元気がなかった広島CURVAにもこれで再び活気が戻り、両陣営は大興奮に包まれたまま、試合は怒涛の後半戦に突入していった。
 
画像集に移動。 広島は後半から藤本を投入。
 昨季、ヴァレリー監督の下で躍進を見せた3トップに近い布陣で勝負にでるのは間違いない。
 ハーフタイム中にアナウンスされた他会場の途中経過を見る限り、かなり苦しくなった広島だが、逆に極限まで追い詰められた状態だ。
 なりふり構わないサッカーをしてくるだろう。
 ここは締めていかないと・・・と思いきや、後半開始早々にBIJUが不必要なチャージでPKを献上。これを久保に決められあっさり逆転を許す。
 見慣れた逆転劇にイヤはムードが漂いだしたCURVAに追い討ちをかけるかのように広島の猛攻は続き、僅かその6分後。
 今野が裏を獲られるという大失態を犯し、洋平の頭上を抜くループシュートがゴールに吸い込まれていく。今野が必死に追いすがり、ボールをなんとか掻きだすも、時すでに遅く審判はゴールの判定を下す。
 「1−3」と突き放された札幌。
 いつもならこの時点で終わっていたはずだ。
 実際、歓喜に沸くアウェイCURVAを眺めながら、「最後はモチベーションの差がでたな・・・」とか「別に勝ったからって、どうせJ2に落ちるんだろ・・・」といった後ろむきな思いが胸に去来する。
 CURVAに詰めたTIFOSIたちも同じ思いだったようで、CURVAのテンションは一気に落ちた。
 早くも敗戦ムードが漂いだす。
 しか〜し!このまま今季を象徴するような負け方で、無残にシーズンを終えるのかと思い始めた矢先、相川が左サイドを切り裂いてこっちのゴールに突進してきた。
 上村がマークに張りつくが、いいところで足をもつれさせ転倒。相川はその隙を突いて、ゴール前にグラウンダーのクロスを放り込む。
 これに反応したのは新居に代わって投入されていたスーパーヒールの曽田だ。
 しかも、巧く相手ディフェンダーをブロックしながらゴール前に滑り込み、値千金の追撃弾を叩き込む。
 ありえないこの一撃で、半ば死にかけていたCURVAに再び熱気が戻った。
 あと1点!
 純粋に同点弾を狙いにいく。
 この頃から相手チームがどうのとか、このゲームの意味だとかは吹っ飛んでいて、ただひたすらにサポートに集中できる雰囲気がCURVAに充満し始める。
 個人的には、前開催の名古屋戦では、なんとも不完全燃焼に終わっていただけに、これはありがたいことだった。
 こういった、サポートに集中できる雰囲気にCURVAが包まれる時は、最終的な結果がどうであれ、いいゲームが多いような気がする。
 この日もそうだった。
 広島からすれば魂を削り取るようなゲームも終盤に差し掛かった後半の29分。
 誰か(オグだったようだ)が中盤から蹴ったゴール前へのロングフィードが、最終ラインに陣取る上村とGK下田との間にある「絶妙なポイント」に寸分たがわず落ちてくる。
 これに鋭く反応したのは相川。
 上村と下田がこのボールを「お見合い」した僅かな瞬間を見逃さず、強引に上村と下田の間に割って入ると、下田がボールに触れるよりもほんの一瞬先にボールに触れた。
 直後、鈍い音と共に相川と下田は激突。相川の頭に触れたボールは無人のゴールに吸い込まれていった。
 相川の勇気あるプレーが生んだ同点劇。
 「3−1」から追いつかれた事実に凍りつくアウェイCURVA。それまで一瞬たりとも止まらなかった紫色の鼓動が止まっていた。二つの失点に絡んだ上村も天を仰ぐ。
 これとは対照的なのが札幌のCURVA。
 まるで勝ったかのような大騒ぎだ。それもそのはず、2点差を追いつくという、今季の札幌には「ありえない」展開にもう手がつけられない状態になっている。
 もう勝つしかない!
 試合の流れは完全に札幌に傾いている。このまま一気の逆転を目指して、CURVAにあの一体感が戻ってきた。
 激しく歌い、激しく飛び跳ねる。
 熱い戦いには熱いサポートを返す。これが、厚別ばりの一体感を呼び起こす。
 ただ、勝利の女神はことのほか気まぐれらしく、せっかく札幌に傾いていた天秤をあっさりと広島に倒してしまう。
 後半の42分。
 いわゆる魔の時間帯で、広島のフリーキックが札幌のゴールに突き刺さる。
 決めたのはどうやら上村のようだ。
 またかよっ!
 と、誰でもいいからツッコミたくなるような失点劇。
 それでもどうだ。この日はこのままでは終わらないような気がした。まだ、なにかあるはずだ。それは何故か確信に近いものだった。
 そして、1分後。それは現実のものとなる。
 曽田のこの日2点目となるゴールが、僕らの目の前のゴールに突き刺さる。
 これで「4−4」。
 今シーズンのこれまでが「すべて嘘」だったかのような展開に歓喜するCURVA。
 逆転できる。そう思えるムードにCURVAは染まっていた。
 そして、ロスタイムの5分が過ぎ去ろうとする時、その瞬間はきた。
 相川だ。
 ロングフィードに素早く反応し、ディフェンダーを置き去りにする。残すはGKとの一対一だけ。
 が!ここで、下田に代わって入った林とかいう新人キーパーの「稲妻レッグラりアート(コレ解る人は、ちょっと古めの新日ツウだね・笑)」が相川の顎に炸裂!
 モロにカウンターで喰らった相川はたまらずノックアウト。
 騒然となるCURVA。
 このプレーにイエローすら出さない吉田主審と合わせて、それこそ稲妻のようなブーイングがピッチに降り注ぐ。
 この試合の主審のジャッジには、かなり痛い目を見ていたTIFOSIたちの怒りがこのプレーのジャッジで爆発した格好だ。ここまで殺気立ったブーイングは札幌のCURVAでは珍しい。昨季の厚別での磐田戦以来か。
 もし、ドームのCURVAがイングランドのスタジアム並みにピッチに近かったら、誰かが乱入してもおかしくないほど、異様な興奮状態だった。
 鳴り止まないブーイングと激しく打ち鳴らされる口笛。それに怒号のような野次とが混ざりあって、どよめきが収まらない中、オグがこのプレーで得たフリーキックで直接ゴールを狙ったが、そのボールは林の正面を突く。
 それと同時に、主審の長い笛が鳴った。延長突入だ。

画像集に移動。 「審判!審判!○そったれ!」
 「林!林!く○ったれ!」
 やり場のない怒りがコールとなって迸り、絶対に勝ってやる!というムードがCURVAを支配する。
 俺達の札幌が鳴り響き、赤黒の勇者がそれに続く。
 来季から姿を消す延長Vゴール。その歴史に最後に刻まれるのは、俺達札幌のVゴールだ!
 CURVAの最中心部で感じた限り、この日のCURVAも最高レベルにあったと思う。この日は勝負そのものが札幌にとって真剣勝負ではないといえばそれまでだが、この雰囲気が毎試合出せれば、ドームも悪くないと思える。磐田戦以降、ドームも徐々に本物のCURVAらしくなってきた。。。
 延長に突入したことで、広島のJ2降格はほぼ決定的だろう。
 それを広島の選手は知っているのかどうなのか。気になるところだが、そんな事を気にする以上に、この試合は負けたくない。
 ふざけたキーパーと主審にぶっ壊された試合だが、それだけに絶対に負けられない!という想いが、とめどなく溢れてくる。
 延長からノックアウトされた相川に代わって、今季初登場の森が投入されたのだが、なんとそのままFWに入ってしまった。
 「松田のトップ下と同じくらいひでえな・・・」
 誰かが言った。ひとしきり笑いが起こる。 
 帯広での横浜FMとのテストマッチが懐かしく思い出される。そういえば、森の元気は姿を見たのもあの試合が今季初だった。。。
 曽田と森のツートップという、信じ難い光景だが、それでも負ける気は微塵もない。
 ここまで勝利にこだわったというか、勝利を信じられたのは、悲しいかなこの試合が今季初だったような気がする。
 森の動きも悪くない。マーカーを剥がす動きなんかはなかなかのものだ。おまけに空中戦にはめっぽう強いから、巧くポストをこなしてくれれば、オグか曽田が決めてくれるかもしれない。
 そう思いながらサポートに没頭していたが、実際にゴールを決めたのは、オグではなく「曽田」だった。
 誰もが、おそらく本人も想像だにしなかったハットトリック達成。
 J史上最後の延長Vゴールを決めたのは札幌の曽田雄志だ。
 昨季の清水戦の岳也と同様、アウェイ側ゴールに突き刺さったVゴールに、狂喜乱舞のCURVA。
 Vゴールが決まった瞬間、その場にバタバタと崩れ落ちていく広島の選手たちと、遠く札幌まで残留を信じて駆けつけたサポーターには申し訳ないが、思いっきり勝利に酔わせてもらった。
 林が悪いんだよ林が・・・(笑)
 
画像集に移動。 こうして「ありえない」ことだらけの最終戦は幕を閉じた。
 J2降格への引導を渡した後ろめたさから・・・ということもないだろうが、この日のCURVAはそれほど派手な宴会モードには突入せず、密かに?喜びを噛み締めながら、リーグ戦終了のセレモニーに移行していった。
 張監督の「1年でJ1に帰ってこれるように・・・」という発言の裏には、フロントの意地でも1年で復帰してやる!という思惑が見え隠れしてあまりいい気はしなかったが、あの場ではああでも言わないと「締まらない」というのは理解できる。実際に彼が指揮するわけではないんだし、まぁいいか・・・と。
 その後、全選手のサンクスウォークがあり、日本平で靭帯を断裂した酒井も松葉杖を突きながら気丈に参加。方や、山瀬は順調な回復をみせているようで、あしを引きずるような素振りはない。二人とも、今季の札幌のていたらくの犠牲になってしまった感は否めないが、焦らずじっくりと怪我を治してピッチに戻ってきて欲しいと思う。
 そして、今季限りで札幌のユニフォームを脱ぐ事となった「古川先生、田渕の竜ちゃん、らっきょこと奈良、そして名前と顔が一致しないうちに解雇となってしまった田沢」の4人には、心からの声援と拍手、そして精一杯の想いを込めたコールが贈られた。
 古川先生はSA席あたりのスタンドにユニフォームを投げ入れ、渡された花束を手に、晴れ晴れとした表情さえ浮かべていたように見えた。
 今後どういった道に進んだとしても、僕らは彼らの事は忘れないし、彼らも札幌でプレーした日々を忘れないで欲しい。
 僕らは「コンサドーレ札幌」というファミリーの一員だったのだから。この絆は、永遠に消えることはない。。。
 別れは辛いが、これもサッカーの現実。
 来季は新たな出会いもあるだろう。
 そして、新たなファミリーと、目一杯サッカーを楽しみたい。
 その先にはきっと「J1復帰」があるはずだ。
  
 WE ARE SAPPORO!
 LIVE IN CURVA FOREVER...

 追悼:この日の試合のキックオフの笛が鳴ってから1分間。先日お亡くなりになった高円宮殿下に黙祷が奉げられました。謹んで哀悼の意を奉げます。

あとがき

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