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2ndステージ第13節 名古屋グランパス戦
「Feel empty」
気の抜けた炭酸飲料。
飲み頃はとっくに過ぎ、残ったのは甘ったるい水だけで、それを美味いと思うかまずいと思うかは、人それぞれだったりする。
この日のゲームはそんな試合だった。
いきなりで申し訳ないが、この試合は札幌の勝利に終わっている。
だが、個人的には納得がいっていない。
試合後の心に去来したのは、なんともいえない空しさだけだった。
「1−0」で迎えたロスタイムでも、まったくといっていいほど気持ちは高揚しなかったし、勝利を告げる笛が鳴っても、心に僅かなさざなみが立った程度だった。
純然たる消化試合がそうさせたのだ。
相手の名古屋は優勝争いにも絡んでなければ、残留争いに顔を出しているわけでもない。
名古屋にしてみれば、モチベーションを維持するのも辛い状況だろう。昨季の札幌がそうだったように、終盤は明らかに戦う意義というか目標を失っているに違いない。
名古屋はそれでもいいかもしれないが、札幌はそういう訳にはいかない。
J2再降格が決まってしまった今、残りの試合を無駄にする事は許されないのだ。
来季への明確なビジョンを持って、戦わなければいけない。
正直、勝利なんてどうでもいいと思う。
確かに勝てば、「最低勝ち点」だの「最低勝率」だのの、J最低記録更新を阻止できるのかもしれないが、それにどれほどの価値があるのだろうか。それらの最低記録の更新を阻止できたら、J1への再昇格争いが有利になるというなら話は別だが、そんなことあるわけがない。
不本意ながらも来季の扉をいち早く開けてしまった以上、優先順位をしっかりつけて、今何をやるべきかをハッキリさせて試合を消化してほしいのだ。
その意味で、この日の札幌からは来季のビジョンが感じられなかった。
張監督が指揮を執り、来季の去就も定かでない現段階では、どうしようもない・・・という部分も確かにある。
それ以上に、J2再降格が決まってから、来季の監督人事を含めて未だ来季のビジョンを明確に示さないHFCが今何を考えているのか不明な以上ヘタに動けないのもわかるのだが、実のところは、その部分が最も納得いってない部分なのかもしれない。
再降格直後は、長期的な視野に立って若手を育成し、J1復帰は急がない・・・というような類の発言があったかと思うと、最近では1年でのJ1復帰が大前提になっている。監督候補にジョアン・カルロスの名前がチラホラ挙がったかと思えば、その交渉にあたっているのが、今季の補強失敗の最大の責任者であるK統括本部長だというから、それこそ信じ難い事態だったりする。
彼は補強失敗の責任をとるどころか、新設されるGM職へ「格上げされる」公算が高いらしい。
社長以下誰一人として責任をとるものが現れず、来季のチーム編成も彼らが仕切っているというから、もう冗談じゃない!という感じ。
筆頭株主である「持ち株会」の理事への状況説明もおざなりなようで、これについてはひと悶着ありそうだ。「持ち株会」の募集があった時、最も危惧した「金は出させるが、口は出させない」という問題点がここにきて浮き彫りなった格好だ。。。
話を試合に戻すが、この日のメンバーからは来季のビジョンを想像するのは不可能に近かった。
洋平ファンには大変申し訳ないが、洋平が来季も札幌のゴールマウスを守るとは思えない。というのも、ディドGKコーチの退団が決定的となった今、札幌はGKを洋平か藤ヶ谷かのどちらかを選択する必要に迫られるだろう。
洋平は衰えてはいない。まだまだスタメンを張る実力を備えているの疑いようもない。
それでも、来季はオリンピック予選が待ち構える藤ヶ谷にとって、来季は勝負の年となる。アジア大会で正キーパーの背番号「1」を貰っていながら、清水の黒河にその座を追われ、1秒たりとも出場機会が与えられなかった屈辱を、なんとしても晴らさなければいけない。また、その方法はコンスタントに試合に出場して存在をアピールするしかない。今季のように洋平のサブに甘んじる状況を藤ヶ谷が選択するわけもなく、フロントが洋平をとるなら、藤ヶ谷は迷わず札幌を去るだろう。
それはなんとしてでも阻止したい・・・という思惑がフロントには働いていないようだ。
フォワードには期待の新星・相川をスタメン起用してきたが、それ以外は今季負け続けた布陣のままで、もしかしたらこの布陣で相手に一泡吹かせたいという、リベンジ的な想いがあったのかもしれない。
ただこのメンバーで勝ったところで、それが来季J2を戦う札幌の糧になるかというと甚だ疑問だった。
昨季の最終戦を思い出して欲しい。
辛くも残留を決めていた札幌の相手は、この時すでに降格が決まっていたC大阪だったのだが、この試合を落とした時、いったいどれだけの札幌のTISOFIが敗戦に怒りを覚え悔しいと感じただろう。少なくとも僕は「別にいいよ・・・もう残留は決まってるんだし・・・」と、かなり冷めた感覚を抱いたと記憶している。「花を持たせてやったんだ・・・」というような驕った感覚も混じっていたような気がする。
となると、おそらく名古屋の選手もサポたちも、この日札幌に負けた事を本気で悔しいと思っていないだろうし、「行きがけの駄賃をくれてやった」ぐらいに思っていたかも・・・と、そんなことを考えると、無性に腹が立ってきた。
結局、まだ自分の中でJ2再降格という現実がきちんと消化されていないのだ。
何処をどう間違ったのか。どの時点ならこの結末は回避できたのか。といった、根本的な部分が未解決で頭の中が混乱気味なのに、HFCの対応のまずさがそれに拍車をかけている。こんな憤懣やるかたない想いを抱えたままではサポートに集中することなど不可能で、試合中のサポートに乗り切れない自分に苛立った。
CURVAでのサポートは消化試合をだからといって手を抜くかといえば「絶対、NOだ!(小野伸二風)」の勢いで展開されていたのだが、それでもどこか冷めた感じがした。
いつもの迸る熱気がそこにはない・・・。
そのせいもあったのだろうが、これじゃぁいけないと思いつつ、最後の最後まで心の底から熱くなることはなかった。
ただ、ピッチ上の選手たちは与えられた使命を全力でまっとうしようとしていた。
今野は札幌の攻守の核として確固たる地位を築きつつあるし、相川も佐藤尽の先制点の呼び水となる、あわやというシュートを放って存在感を示した。
来季、札幌はまったく新しいチームに生まれ変わり、そこには自分の居場所はないかもしれない。それを十分承知した上で、選手たちは「今、やるべきこと」を純粋に遂行していた。
HFCが描く来季のビジョンがどうのこうのは関係なく、ピッチに立ったからにはその時その時で最高のプレーを魅せることだけを考える。
それがプロの仕事なのだろう。
こっちもそう割り切るべきだった。
いつまでもHFCの対応のまずさに憤慨するより、たとえ相手が「本気モード」だろうと、そうじゃなかろうと、今ここで展開されている試合に集中するべきだった。
あくまでシンプルに、その他の要素はすべて取っ払って、札幌の勝利を信じてCURVAに集う。
それが大事なんだろう。
残すは今季最終戦の広島戦。
その時広島が置かれている状況次第では、試合の重要性もスタジアムの空気すらも一変しそうだ。
広島の命運を握る試合になるのか、はたまたJ2降格決定コンビがキズを舐めあう試合になるのか。
そのどちらになるとしても、札幌がDIVISION-1で戦うのはこれを機にしばらくおあずけだ。
いつの日かDIVISION-1へ舞い戻る時の為にも、記憶に残るゲームになって欲しい。
DIVISION-1最期の試合。
楽しまなきゃ損だ!

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