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2ndステージ第5節 浦和レッズ戦
「spoil」
神戸戦を最後にイバンチェが去り、張新体制となった札幌。
シーズン中、監督更迭という劇薬に2度も手を伸ばす事になろうとは、開幕前、誰が予想しえただろう。
しかも、この劇薬。札幌にはまったく効果がなく、前節の横浜戦でも延長Vゴール負け。
流れは何処から変わるのだろうか。。。
昨季の浦和戦を覚えているだろうか?
ホームCURVAを舞台に「Tシャツ人文字」という、おそらくJでは「初」の企画を成功させながら、サポートそのものは「最悪」とまで思われた昨季のことを。
試合の残り時間、15分ぶっ続けで「大脱走」をぶちかまされ、ほとんど「ホームジャック」されてしまった昨季のことを。
試合の方も結局はドローと、この試合でJ1残留が決まったにも拘らず、ホームを蹂躙され、なんとかしたいという「気持ちだけ」が空回りした屈辱を忘れてやしないだろうか?
確かに今季は、J1残留を争った昨季とは立場に雲泥の差がある。
それでも、気持ちだけは負けたくない!
あんな屈辱はもうご免だ!
この日、ホームCURVAに集うTIFOSIたちは皆、そう思っていると信じていたのだが、結果は惨憺たるものだった。。。
この日は浦和戦ということもあって、さすがにアウェイCURVAに陣取る気にもなれず、「無気力」を引きずりながらも、思いのほか早くホームCURVAへの戦列復帰となった。
開場の時刻となり、入場口で配られた「JR北海道サンクスマッチ」の赤黒い紙を持ってCURVAに向かう。すると、同じく出足の早い浦和サポたちが昨季同様、自前のダンマクでアウェイCURVAに陣取る札幌のTIFOSIたちとの間に境界線を張っていく。なんと手際のいいことか。
それからしばらくすると、ちょっとしたことに気づく。
アウェイCURVAの空席部分に、前述の赤黒い紙を使って「J2」の文字が浮かんでいる!
機転が利くというか、なんというか。試合前から、浦和はあくまで浦和らしい。
やがてピッチ練習も終わり、試合開始が近づくと「お前はもう死んでいる ダンマク(今更説明するまでもないが、Iくん製作)」を張りだす。今季もご丁寧に持参してきたようだ。案外、物を大事にする連中らしい。粘着といえばそれまでだが、ある意味感心してしまった。
そして試合開始の笛が鳴る。
試合の行方と平行して、サポート合戦も一気に熱を帯びた。
「We are REDS!」の大音量を掻き消すように、札幌は勢いのある「STING」で応酬。ドーム天井の反響板でMIXされたフルボリュームのサポートが真下のピッチに降り注いでいく。
もう一試合も落とせない札幌は序盤から積極的に攻めの姿勢を見せる。この日は「オグ・ジャジ・岳也」のスリートップという布陣だが、ジャジとオグのどちらが引き気味になるのかがちょっと曖昧な感じ。ただ、前節からBIJUがCBにコンバート(大博打だなぁ)された為、今野がボランチに復帰しているから、今野のインターセプトとセンスのあるパスに期待が高まる。今、札幌で最も得点の匂いがするプレーを演出できるのは今野だろう。もう暫くすると、アジアユース選手権の日本代表主将として札幌を離脱してしまうが、それもあって彼のモチベーションは現在最高レベルにある。札幌の今のチーム状況にあって、彼のそれは突出している。
逆に気になるのは和波だ。ここ最近、彼の最大の武器であるスピードに乗った縦への突破がほとんど見られない。これは、ジャジが前に入ると一層顕著になるのだが、これはジャジが左に開き過ぎて和波の場所を塞いでしまうことによって起こるのだが、ここら辺は、ジャジとも良く話し合って改善して貰いたい。ここ最近は、右サイド(西田・酒井)からの攻撃ばかりだから、時には大胆なサイドチェンジから和波の突破。そして、エンドラインぎりぎりからマイナスのクロス!っていうのを期待している。
試合は一見、札幌が優勢に見えるが、実のところ浦和ペースで流れていった。浦和は中盤の底から最終ラインをガッチリ固め、攻撃は「EME・永井」のツートップに任せっきりだ。これって、岡田政権下の札幌の形に似てなくもないが、「EME・永井」のコンビが繰り出す速攻の破壊力は凄まじく、一瞬でも気を抜けば決められるという脅威のスピードと決定力は、「EME・BAN」や「WILL・BAN」を遥かに凌いでいた。
そして、前半42分。それまでなんとか耐え凌いでいた最終ラインが遂に崩される。
右サイドを永井に突破され、ゴール前に鋭い折り返しが飛ぶ。このボールを佐藤尽がクリアしようとした刹那、エリア外から超絶スピードで突進してきたEMEにワンタッチを許してしまった。
EMEの怖さをイヤというほど知っている健作と、存在自体がイヤだった(笑)BIJUだったならば防げた。とは言わないが、EMEのスピードに完全にしてやられたシーンだった。
試合は後半に突入していた。
試合開始直後こそ、同等のせめぎ合いを見せていたサポートの応酬だったが、前半終了間際のEMEの失点以降、その勢いは完全に浦和に傾いていた。
しかも、後半6分。またしても右サイドを永井に突破され、中央のEMEに札幌のDF陣が引き付けられると、2列目から上がってきた「どフリー」の鈴木が永井からのクロスを豪快に札幌ゴールに叩き込んだ。まさに、絵に描いたような失点だった。
これで、札幌CURVAは事実上崩壊。
サポートよりも野次や罵声が勢いを増し、試合開始直後の一体感は欠片も残っていない。
札幌ベンチは「和波→バッキー/健作→曽田」と、積極的に2枚代えを敢行。「オグ・ジャジ・岳也・バッキー・曽田」とFWを5人もピッチに投入してスクランブル体制を敷いたのだが、札幌のCURVAに熱気が戻ることはなく、ピッチ上でも、今野が再び最終ラインに下がったことで、得点の気配は皆無に。。。
中盤からセンスのあるボールが配給されなくなると、札幌は馬鹿の一つ覚えで曽田をターゲットにした単調な攻めに終始。とても、ピッチ上にFWが5人いて、怒涛の反撃!という雰囲気ではない。
これが、更にCURVAの失望と怒りを買うはめになり、神戸戦でワンゴールを決めたにも拘らず、曽田には相変わらず辛辣な野次が飛んでいる。
ここ最近の中でもCURVAの雰囲気は最悪。
それとは裏腹に、気持ちの入ったのサポートを浦和に見せつけられる。昨季の再現だ。。。
しかし、その悪い流れを断ち切ってきれたのが、岳也だった。
後半27分に岳也が佐藤尽からのボールをヘッドで押し込む。値千金の追撃弾。
正直これがなかったら、札幌の選手もTIFOSIもあのまま終わっていた事だろう。。。
再び熱気を取り戻した札幌CURVA。岳也のゴールが決まるの前後から始まっていた「STING」に背中を押された札幌の選手たちも最後の意地を見せようと奮起するが、相変わらず中盤が脆く、正直なところ得点の匂いはしなかった。
残り5分少々でジャジ→森山と最後のカードを切った札幌だったが、およそ20分間歌いっぱなしの「STING」のボリュームが徐々に小さくなっていくのと同様に攻撃も尻すぼみになっていく。
そしてそのまま、試合終了の笛を聴いた。。。
完敗だ。
試合もサポートも完膚なきまでに叩き潰された。
昨季以上の屈辱の瞬間。
それでも心の底から「怒り」を感じることはなかった。
試合に負けた事に対する「怒り」。またしてもホームを蹂躙された事に対する「怒り」。。。
それは、試合後いつものようにCURVAに挨拶に来る選手たちの目からも、「怒り」を感じる事ができなかったからだ。
思うような結果がでない「怒り。試合に勝てない「怒り」。そして、不甲斐ない自分たちへの「怒り」。。。
虚ろな目で、ただ「仕方なく」挨拶しているようにも見える選手たちの姿をみていると「負けるべくして負けた」と思えて仕方なかった。チームとして、僅かに残った緊張の糸が切れかかっている。そう感じた。![]()
やがて、選手たちがピッチを去り、今日のすべてが終わろうとしている頃。
浦和サポが「蛍の光」を大合唱。その後、「J2 SAPPORO!J2 SAPPORO!」と「GOOD-BYE SAPPORO!GOOD-BYE SAPPORO!」のコールが高らかに連呼された。
浦和は最後まで浦和らしかった訳だが、ここまでされても「浦和ふざけんな!」という怒りは沸いてはこなかった。
これには自分自身、ちょっと驚きだったのだが、素直に「浦和ふざけんな!」と思えないほど、心が冷えてしまった・・・ということなのか。
試合中はサポートに没頭していれば余計な事は考えずに済む。だが、試合が終わるたびにJ1陥落が確実に近づいてくるという現実は、自分だけではなく、きっとCURVAに集う多くのTIFOSIの心をも冷やしてしまっていたのだろう。
浦和サポの最後の挑発にも反抗意識が盛り上がらなかった事実が、それを如実に物語っていた。
諦めたら、そこですべては終わってしまう。
可能性が残っている限り、奇跡を信じて戦いたい。
ただ、TIFOSIの我慢も限界に近づいている。そんな気がした。。。

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