観戦日記2001〜
第6節 4月29日 ガンバ大阪戦
「12番目の選手」

 函館千代台公園陸上競技場。
 コンサが今季、ホームゲームで使用するスタジアムは5つ(ちょっと信じ難いが、これも「北海道」をホームタウンとする、コンサの基本姿勢でもある)あり、その3つめにあたる。この試合が終わると、次はいよいよ「聖地」厚別へと、戦いの舞台が移ることになる。
 
 「何時に出ようか?」
 函館での試合の日程が発表になった日から何度となく繰り返された会話。
 そして前日、「3時出発」ということで遂に決着をみた。
 22時から3時間ほど仮眠をとり自宅を出たのが2時半。あきらかに「酔っ払い運転」と思われる、ふらついた車が走る札幌の中心部を抜けおりりん宅へと到着。ここで、遂に我がOSC「Addicted to Consa」のフルメンバー(といっても、たったの4人)が集結。今シーズン初の全員参加にして、函館までの小旅行に意気揚揚と出発。札幌の街外れのローソンで、おやつをたらふく買い込み、この時点で3時半をちょっと回っていた。
 国道230号線をひた走り中山峠を越え留寿都を通過。交通量の少なさから、想像以上のハイペースで快適なクルーズが続いていた。しかし、東の空が白みはじめた頃、豊浦へ抜ける小さな峠で「事故に遭遇!」。下勾配の緩やかな左カーブの左側の側溝に大型トレーラーが「はまっている!」しかも、見事に「ひっくり返っている!」。僕らが通過した時点では、レッカーが到着したばかりだったので、この後この道を通過したサポの皆さんも「目撃!」した方は多いハズ。 やきとり弁当&チャイニーズ・チキンバーガー  
  この峠を下りきり、「虻田仮出入口」から高速に乗り換え、「長万部」までひとっ走り。そこからは、国道5号線をただひたすらに函館を目指す。ただ、大沼を越えた直後に「七飯」をパスする準高速があり、思がけず得した気分。
 目的地「千代台」に到着したのは7時頃。自分的には、結構早く着いたつもりだったのだが、この時点で開場を待つサポーターの数およそ200。コンササポ恐るべし・・・。
 開場を待つ間、行きがけに買った「W杯オフィシャルガイドBOOK」を読みふけり時間を潰す。やがて時計は8時を回り、サポーターの数もみるみる増えていく。と、そこに、なんとも言えないいい匂いが鼻をくすぐる。
 いい匂いの犯人は、函館名物「ハセガワストアのやきとり弁当」。ちょっと離れたサポーターの集団が、朝食にと買ってきたものらしい。せっかくだからと、おりりんとくっちゃんが買い出しに出発。無事、「やきとり弁当」を入手して帰還。朝から「肉」で腹ごしらえとヘビーなスタート。
 朝食を済ませ、のんびりと開場を待つ間にも、サポーターは続々と千代台に押し寄せてくる。最後尾が溢れたということで、間延びしていた列も瞬く間に詰められ、一気に興奮度が増していく。
千代台競技場 
 10時を過ぎる頃には千代台の周囲はサポーターで溢れかえり、開場前の緊張感が千代台を包んでいく。そして、11時15分前。4/7入江でのヴェルディ戦同様に開場時間が早まり、サポーターの洪水が一斉に千代台の懐へと流れ込む。
 僕らもなんとか入場するも、既にUSのブロックは満杯状態。というのも、この競技場のゴール裏はいちおう「スタンド」なのだが高さがない。その数わずか6段。最前列に一人と、最後尾に一人二人追加できたとしても、10人に満たない。だから、必然的にUSのブロックからは、離れざるを得ない状況に追いこまれてしまった。斎藤くんが右45度に見える。かなり寂しい位置どりである。
 そうこうしているうちにも、ピッチでは既に、この日の前座試合「コンサユース(U−18)vs函館選抜」が行なわれ、千代台全体が「サッカー」に包まれていく。ゴール裏はこの後40〜50分で満杯状態となり、階段という階段、通路という通路でサポーターがおしくら饅頭をしていた。この状況でもし「地震や火災」が起こった場合、確実に誰か「死ぬな」という恐怖さえ感じるほどの混み具合。この日の入場者数は15288人と発表されたが、288人はキャパを超えていたことになり、「危機管理」の甘さが目についた。「消防法により、通路での観戦は禁止されています」の場内アナウンスも空しく響き、主催者側は、「なにかあってからでは、遅い」という認識を持って欲しいと思う。ここ最近、南アフリカのサッカー場で50名前後もの死者を出す惨事が立て続けに起こっている現実を真摯に受け止めるべきだろう。
(訂正)先日ミリダラ代表・ニケさんより、千代台競技場の収容人数は「15290人」であるとの、ありがたいご指摘がありました。この事実から、この日の千代台は「収容人数ぎりぎり」だったということになります。が、両ゴール裏・バックスタンドに関しては、収容人数を上回っていたような気が・・・。また、こちらの調査不足による掲載で各方面にご迷惑がかかっていた場合、心からお詫び致します。ここに訂正させて頂きます。そして、貴重な情報を寄せて頂いたニケさんには、深く御礼申し上げます。 
 
 さて、「コンサユース(U−18)vs函館選抜」はからくも、コンサユースの勝利に終わり、続いていよいよ選手たちのピッチ練習が始まった。アウェイ側でガンバの選手がピッチに姿をあらわすと、予想はしていたがコータへの歓声と拍手が巻き起こる。スタメン発表でも、コータがコールされると拍手がおこっていた。ただ、ゴール裏はやや、「ブーイング」の方が勝っていたように感じたが・・・。
 コンサのスタメンでは、U−20遠征帰りの山瀬が、若さにものを言わせて元気に出場。ただ、この試合ではゆづきがトップ下に入った為、初の左サイドでの出場。なんでも、スタメン予定だった和波が体調不良おこし、スクランブルの布陣だったようだ。
 この時点で千代台はほぼ満員状態。バックスタンドとアウェイ側ゴール裏に至っては、いずれの芝もまったく見えない状態のぎゅうぎゅう詰めで、試合開始を今や遅しと待ち構えている。
 ゴール裏のコールも熱を帯びはじめ、広島ビッグアーチに似たメインスタンドの屋根に反響する自分たちのコールが、闘争心を一層掻き立てる。ただ、USのブロックの左右に「特に声を出すわけでもなく、サルトするわけでもない多数のサポーター・・・」が陣取り、声に厚みを持たせることができない。
 いい機会なので、ここでちょっとだけ「サポーター論」をぶち上げてみようと思う。
 USを始めとして、僕らゴール裏中心部で「声を出し、サルトをする者達」にとって、ゴール裏中心部は「特別な場所」である。よく、サポーターは「12番目の選手」と表されることがあるが、「選手」と表される以上、戦う「義務というか責任」がある。そして、戦うには「武器」が必要だ。その「武器」が「声であり、サルトである」と信じている。味方(コンサ)選手を鼓舞する事しか出来ない僕らには、これだけが「唯一」の武器なのだ。武器は多い方がいい。そして大きい方がいい。だから、「密集」する。声を「太く」、そして「強く」したいから。簡単な数の論理だ。
 だからこそ、ゴール裏中心部に集うサポーターの皆さんに理解して欲しい。
 「ゴール裏中心部に来るならば、共に戦って欲しい」
 ただ、ボーッと立っているだけでは、選手に気持ちは伝わらない。試合を「見るのが目的(未だに、ゴール裏で「ゲート旗」や「小旗」を掲げると、後ろで「見えな〜い」という声が聞こえる・・・)」ならば、ゴール裏中心部の左右やアウェイ側のゴール裏の方が良く見えるはず。ゴール裏中心部は「見るところ」ではなく「戦うところ」だということを感じて欲しい。
 4/18入江での大分戦を観戦した人にはわかるはず。
 サポーターの数=選手のモチベーション。サポーターの声(応援やコール)=選手の闘争心。だということを。
 今回、USのブロックから久し振りに離れてみて、コンサのゴール裏中心部の現状をイヤというほど見せつけられた。
 「ゴール裏中心部は戦う場所です!ここに集うには戦う義務というか責任があります!みなさん!共に戦いましょう!」
 
 話が逸れたのでガンバ戦に話を戻そう。
 
 ぎゅうぎゅう詰めのバックスタンド試合開始の笛が鳴り、双方がまだ手探り状態の前半4分。
 左サイドからあがったセンタリングを、播ちゃんが豪快にボレーシュート。ボールは逆サイドのネットに突き刺さり、価千金の先制点。豪快にして芸術的なゴールに、超満員に膨れ上がった千代台の興奮は一気に頂点へ。そして播ちゃんは、いつものように岡田監督のもとへ駆け出した。と思ったが、岡田監督はベンチから出て来ない。おや?と思ったら、なんと播ちゃん、ガンバの早野監督にガン飛ばしに行ったのでした。播戸竜二恐るべし・・・。
 さあ、こうなったら、コンサの黄金パターン。守備を固めて、カウンターを狙ういつもの戦法。ガンバは17イバの鋭い突破などで、何度かコンサゴールを脅かすも、ニーノブーレがいない分、攻撃オプションが激減。松波が襟立てながら、ポストプレーでなんとかしようとするが、コンサのDF陣もそうはさせじと鉄壁のディフェンス。
 そして、コータへボールが渡ると敏感に反応する千代台。最初は「拍手」も贈られていたが、そのうち「ブーイング」にさらされ始め、前半終了間際に決定的なシュートを外すと、恐ろしいほどの「野次と罵声」、そして「大ブーイング」の嵐がコータを襲った。可愛さ余って憎さ100倍。という感じだろうか。
 結局、コンサも決定的な形を作れないまま、前半終了。
 また、この日の天候は快晴。ただ、風が結構強くて冷たい。暑すぎず、寒すぎず、試合に集中できる最高のコンディションといえた。
 いつもなら、ハーフタイムになるとサポーターの大移動が起こるのだが、この日は余りにぎゅうぎゅう詰めの為、それも少なめっだったような気がした。
 そして、試合は怒涛の後半へ突入。
 岡田監督がDFを3バックから4バックにして守備固めをはかると、早野監督はコジを投入。FWを3枚にしてガンガン攻めてきた。さすがのコンサDF陣も後退を余儀なくされ我慢の展開が続く。
 こうなったら、僕ら「12番目の選手」の出番。声を出し、コールとサルトを繰り返す。ただ、前述のとうり、USの密集度が低い分、声に厚みがない。が、千代台の屋根がサポーターの声をうまい具合に反響させてくれるおかげで、足りない分をカバー。まさに千代台さまさま。
 続いて岡田監督はゆづきに替わって「汗かき役」のトモを投入。後半途中から出場した現役代表、イナに荒らされ始めた中盤の立て直しを図る。この後、試合は一進一退の攻防が続くが、ガンバがFWを4枚にして勝負に出てからは防戦一方。
 ゴール裏のサポートも必死さを増し、ガンバ攻撃陣の集中砲火を浴びる洋平と最終防衛線で体を張るDF陣へ、高揚感と勇気を与え続ける。それでも最後の10分間は、それこそタコ殴り状態で、ゴール前のこぼれダマはすべてガンバに拾われ、いつ失点してもおかしくないギリギリの防御が続いた。しかし、遠く函館までやってきたガンバサポの振り絞るような声援が深い溜息に変わった時、勝利の女神はコンサに微笑んだ。
 歓喜のサンクスウォーク函館千代台の上空をジャンボジェットが掠めた時、コンサ初勝利の雄叫びが超満員の千代台に木霊する。2年越しの夢。そして、歴史に残る1勝。
 この日のヒーローは古巣相手に最高の仕事で応えた播ちゃんと、後半だけで16本ものシュートを浴びながら、コンサの砦を最後まで死守した守護神洋平。そして、それをサポートしたすべての選手たちに、場内からは溢れんばかりの拍手と歓声を贈る。そして、ゴール裏ではミリダラさん先導のもと、歓喜の「函館名物イカ踊り」が延々と続いていた。
 
 この後、僕らは函館といえばココ「ラッキーピエロ」で、「チャイニーズチキン・カレー&スパ」を頬張り、のんびりと帰路に着いた。来年も必ずと心に誓って・・・。

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