〜観戦日記2001〜
2ndステージ 第12節 11月3日 浦和レッズ戦
「史上最大の作戦」
昨季、最高にして最強のライバルだったReds。J2の舞台では、あのおぞましい「4回戦制」のおかげで、きっちりと4度対戦。
1戦目の駒場では、早いリスタートからBIJUが貴重な1点を決め勝利。2戦目は、有珠山噴火の影響で日程が変更となり、春対戦の予定が真夏の対戦となり、とんでもなくクソ暑かった「室蘭・入江」でフルタイムドロー。3戦目は、J2最強を証明してみせた厚別での勝利。あの日の龍ちゃんのゴールは生涯忘れる事はないだろう・・・。そして迎えた4戦目。駒場でのゲームを僕らは「スピカ」で観戦。そして、またしてもBIJUがヒーローとなり「J1復帰」を決定付けた試合となった。
RedsはJ1を目指す上で最も高き壁となるはずだったのだが、終わってみれば、対戦成績は「3勝1分け」の完勝だった。
しかし、それはあくまで昨季の話。
今季のRedsは「伸二」が完全に復調(フラビオ効果か?なんか腹立つな・・・)し、1stの駒場では、その「伸二」に好き放題にヤラレて完敗。
だが、今日のゲームにはもう「伸二」はいない。J1残留が「足踏み状態」でイライラも募ってる。勝てば文句なく残留決定。そしてホーム。
さあ、準備は整った。「勝つしかない」ゲームの幕開けだ!
病み上がり・・・。
いきなり個人的なことで申し訳ないが、前開催のJubilo戦後に風邪を引き胃をやられた。この日までになんとか体調は戻したが、万全!というには程遠い状態だった・・・。
ということで、この日はドーム到着と同時に「FAN’S CAFE」へ直行。ここでカレーに舌鼓を打ちながら、のんびりと時間が過ぎるのを待つ事とした。ちなみに、くっちゃんが食べた「ハニーブレッド」は結構美味いらしい・・・。
あ、カレーも美味いです。詳しくはこちらの「グルメ&ショップ」をどうぞ・・・。
さて、「FAN’S CAFE」で時間を潰している間に、降っていた雨もあがり、残りの時間は外での待機となる。かなり厳重に着込んでいるので、それほど寒くはないが、さすがにもう11月。ドームに出来たサポの列を縫うように吹き抜ける風は、太陽が傾くにつれて徐々に冷たくなっていく。
ただ、いくら寒かろうと、時間だけは確実に過ぎ去り、開場の時間が近づいていった。
やがて、15時をちょっと過ぎた頃、この日に限って何故か黒のスーツに身を包んだCVSのおにいさんが、「開場が早まるかもしれません。入場の準備をお願いします」とアナウンス。
やったね!とばかりに一斉に身の回りを片付け始めるサポ集団。出来ることなら、1分でも早く、ドームに入ってしまいたい。と、誰もがそう想っていたのだろう。直後、CVSのおにいさんは更に、「今日は入場に際してボディチェックがありますので、ご協力を・・・」とアナウンス。
「ボディチェックゥ?」と、あからさまにいぶかしむ声があちこちであがった。
この寒空の下、長時間「外で待つ」という、ほとんど「荒行」のような行為の果て・・・厳重に、思いっきり厳重に着込んだこの身体を「ボディチェックゥ?」と。
「ひとまず列を進ませますが、まだ開場ではありません」のアナウンスに引きずられ、ぞろぞろと行進を開始。
と、入場ゲートの10m程手前で行進が緊急停止。というのも、ドーム側の説明によれば、ボディチェックを行なうにあたり、入場制限をしながらの開場になるとのこと。つまり、ボディチェックをゲート直前で行なう以上、一斉に開場となると、どうしても「おざなり」になってしまうから、約10人づつに区切りながら入場させようというのだ。
だが、この方法はいくらなんでも時間が掛かり過ぎる。「40000人(開場の時点で並んでいた正確な人数は不明ですが・・・)」を「10人づつ」に区切ろうというのだから・・・。
僕らのように「ちゃんと説明が聞けた人」はいいが、後方にも「この方法でヤル」ということは、ちゃんと伝わっているのだろうかと、正直心配だった。結果として逮捕者がでるという異常事態が発生したようだが、その責任の一旦はドーム側の不手際にもあるような気がする。あの寒空の下、理由もわからないまま、いつまでたっても「入場できない!」という状況はどうかなと・・・。
しかも、開場時間はいっこうに早まる気配を見せず、結局、予定時刻の16時にやっと開場となった。
開場がいくらかでも早まると期待していた、というか「期待させられていた」だけに、皆ぶつぶつと不満を口にしながらの開場が始まった。先の説明どうり、ほぼ「10人づつ」が束になってゲート前まで進み、そこで警備員のボディチェックを受ける。ちなみに、女性サポの為に、女性警備員もちゃんと配置されていた。
ここでのボディチェックを通過して、次は「手荷物検査」。それを終えて、やっと「チケットもぎり」まで進入。ここからはいつものように「猛ダッシュ」となる訳だが、前述の段階を踏むためにゲートを越える人数がパラパラ程度で、なんだが妙な感じのする入場だった。
とまあ、なんだかんだあったものの、無事ゴール裏中央部に辿りつく事に成功。
そこでふと座席の下に目をやるとそこには、この日の為にUSが自主的に企画した「史上最大の作戦」こと「Project 2001」の「武器」ぢゃなかった「アイテム」が!!
ゴール裏を巨大なキャンバスにして、ここ一番!の試合で展開される「人文字」。
今までも「紙・ビニール・ブランケット」等を使用し、選手入場時においてゴール裏を彩ってきた。だが今回は、この企画の最大の泣き処である「入場時のみの演出」という部分の排除を目標に、海外では前例があるものの「Jリーグでは初」の試みとなる、「Tシャツ」の使用に踏み切った。
ただ、試合終了の笛が鳴るその瞬間まで「選手にメッセージを送りつづけたい」という事を目標を掲げた企画だけに、金銭的な負担もかなりのもとなった。ゴール裏全12ブロック(約4800席)を使用するこの企画が秘密裏に発動した当初は、中央4ブロック(約1600席)で描く人文字には「白・800枚」、「赤と黒・600枚づつ」のTシャツを使用し、その両脇8ブロック(約3200席)には「3200個」の風船を使用するという、想定費用「864,000円」の壮大な企画となり、実際に実行できるかどうかも「カンパの集まり次第」という、ある意味豪快なものだった。
それでもゴール裏に集う熱狂的サポの結束力と行動力は、「117口・87グループ・延べ610人(US発表)」もの方々の協力と「674,871円(US発表)」のカンパ金という形となって結実し、この企画の成功に向けて、力強く背中を押した。
そして、最終的には、Tシャツ「白・750枚」、「赤と黒・600枚づつ」を使用。Tシャツの総数が当初予測していたよりも少なくなり、Tシャツの単価も安く収まった(SAPPORO BOYSさん謹製)為、その分を風船(8000個に増量)に割り当てても、当初見込みよりも安価となった。とはいえ支出の合計は「756,000円」でカンパで集まった収入よりも「81,129円」のマイナスとなり、この日もこの企画に賛同してくれた方にカンパをお願いし、最後の収支報告は最終戦に公表されることになっている。
かくしてこのTシャツ。選手入場時に流れる「GO WEST」の途中で「着る」か、あらかじめ着ておいて、その上にレプリカ等を着てそれを「脱ぐ」かする訳だが、どんなデザインが出来あがるかは、その瞬間までの「お楽しみ」ということで、ヘンにそわそわしたなんとなく落ち着かない雰囲気に包まれるゴール裏。
ただ、開場と同時にゴール裏にやってきて、一旦は席についたが、暫くするとTシャツを持って席を立ち、そのまま戻らなかった人がいた!そりゃ〜ないだろ!!
それともうひとつ、ゴール裏を刺激するRedsのダンマクの数々が!
それは「USバカ」と書かれたもの(開場直後のみ)と、昨年、「北斗の拳」を知らない世代からあれこれ言われてしまった「お前はもう死んでいる by エメルソン」のあの!ダンマクである。後述のダンマクの詳しい経緯にはあえて触れないが、さすがはReds。試合前から、戦闘は始まっているようだ。これでは、こちらのゴール裏もいやがおうでも臨戦体勢をとらざるを得なっていく。
あと、アウェイ側ゴール裏に陣取ったRedsサポ右の座席に多くのダンマクが置かれて、座席が占拠された状態になり、座れるはずの人が座れなかった・・・という事となり、かなり険悪なムードが漂っていたようだ。
だが、実際のところは、ドーム側で区切ったRedsサポとコンササポの「境目」が小さすぎると感じたResサポが、ドームではゴール裏前3列は空席としなければいけないところを、ドーム側との協議の結果、前2列にすることで、その減らした1列分を「境目」に足して、あのダンマクのスペースとしたようだ。だから、元々の席数は変ってない。ということらしいが・・・。
そんな、そわそわしながらもRedsサポの挑発で妙な緊張感に包まれながら、時間は過ぎていく。
やがて、ピッチ上には今日の試合の主審らしき人物が登場し、ピッチの具合を入念にチェックしている。バックスタンド側のタッチラインまで歩くと、今度はこちら側のゴールに向って歩を進め、それがどうやら「岡田さん」であることに気づき、正直「ホッ」とした。これも、ここ数試合続いた審判不信からくるものだろうか・・・。
岡田主審がゴールネットの張り具合をチェックし終えてピッチを去ると、続いてピッチには「あの男」が現れた。
昨季のJ1復帰への立役者「マルシオ・エメルソン」その人である。
ピッチにTシャツと裸足で現れた彼は、何故か(アップ前だったからか?)スーツ姿の「のの」と談笑し、「ウリセス」とはヘッドロックを掛け合うなどして、ジャレあっている。アウェイにやってきたという緊張感は欠片も感じられない、和やかすぎる雰囲気。また、スタンドに陣取るサポの中には彼の登場に気付いた者もそれなりにいたとは思うのだが、これといったリアクションもなく、これがかえって不気味な感じがした・・・。
そして時計は17時を回り、さらに30分ほど過ぎると、唐突に「コンサドーレ○×クイズ」なるものが始まった。
形式はいたって単純。コンサに関する問題が○×方式で出題され、その答えをキリンカップの「フェアプレー旗手選考」と同じ要領で、巨大ビジョンの映像を眺めながら猛烈にアピールし、最も目立った人物が回答権を得るというもの。
これを何問か繰り返してドームが多少なりとも盛りあがりを見せた後、その余韻を引きずったままドールズのパフォーマンスへと雪崩れ込み、それが終わると、いよいよピッチ練習の時間となる。
この時点では、スタンドはもうほとんど満員で、両ゴール裏のテンションも爆発寸前の状態。Redsは友軍の登場を、コンサは敵軍の登場を、今や遅しと待ち構えている。
それまでは幾分肌寒く感じたドームの空気が一変し、興奮という名の熱気がドームを覆っていく。
そして遂にRedsの選手がピッチに姿を現すと、アウェイゴール裏で沸きあがった歓喜の渦を掻き消すように、耳を劈くブーイングがRedsに襲いかかった。お互いのプライドを賭けた死闘の幕開けだ。
続いてコンサの選手がピッチに登場すると、果てしないブーイングは巨大な歓声に声色を変え、コンサの選手たちを包み込む。
スタメン発表が始まり、ドームならではの巨大ビジョンにRedsの選手が次々と映し出されていく。
歓声とブーイングが入り混じりながら、スタメン発表は続き、いよいよFW。さあどうする?どうなる?
「FW背番号36・エメルソン!」のアナウンスが最後まで終わるか終わらないかという瞬間、けたたましいブーイングがドームに木霊した。
昨季J1復帰へ獅子奮迅の活躍を見せてくれた選手に対して、ブーイングで出迎えるというこの行為に関しては、試合前から、そして試合後もいろいろな意見があった。
ここでそれらをまぜっかえすつもりはないが、あくまで個人的な意見をちょっと書きたい。
確かに昨季、彼には世話になった。心から感謝してるし、それは彼がどこのチームに移籍しようと変わることはない。
ただ、この日彼は「浦和Reds」の選手として、あの赤いユニを纏って僕らの前に立った。僕らからすれば純粋に「敵」である。もし彼と、大通り公園でばったり会いでもしたら、「去年はありがとう」といって握手でも求めるかもしれないが、ここで「Redsのユニを纏った」彼にそうする訳にはいかない。だから僕個人的には「愛と憎しみのブーイング」ってトコだろうか。
それと、このブーイングは誰かが「ブーイングしようぜ!」と言った訳ではなく、自然に起こった訳だから、各個人の判断として「ここはブーイングだろう」と思ったんだと思う。
その原因が、「昨年末の天皇杯・不参加の真相」のせいなのか、「去年、浦和のサポーターを見てから、ここでプレーしたかった・・・」というコンササポを全否定したかのような発言のせいなのかは分からないが・・・。
さて、スタメン発表はコンサの番となり、この時ゴール裏はひときわ大きく弾けて、いよいよ「史上最大の作戦」の準備に取り掛った。
風船を膨らます人、Tシャツを脱ぐ・もしくは着る練習をする人、皆なんともいえない緊張感のなか、試合前のドールズのパフォーマンスを眺めながら「GO WEST」が流れる瞬間を待っている。
そして、その瞬間はやってきた。
「GO WEST」のBGMがドームに流れる。そして途中の太鼓の音。遂に作戦は決行された。
長かった前フリも終わり、やっと試合開始の後編へと続く。後編はこちら

「野本貴金属加工所はコンサドーレ札幌のサポートシップ・スポンサーです」
このサイトは、野本貴金属加工所こと[NOMOKIKI]が製作・運営しています。
また、このサイトにあるすべての画像と文章の無断転写・転載はご遠慮下さい。
All Rights Reserved. Thank you.