〜観戦日記2001〜
2ndステージ 第9節 10月17日 サンフレッチェ広島戦
「Consadole Package」
3トップ。今季、広島の監督に就任したヴァレリー監督は「攻撃的で面白いサッカー」を目指してこのシステムを採用した。それまでの広島のサッカーは、堅実だが面白さに欠ける。それゆえに、サポーターの共感を呼ぶことができなかったと考えたからだ・・・。確かに、「3トップ」というシステムはツボにはまると「とてつもなく恐ろしい」が、中盤の構成力が希薄になりやすい為に守勢にまわると「リスク」も大きい。ただ、この「リスク」を恐れてしまっては「3トップ」は成立しない為、結果としてこのシステムは「失点覚悟の殴り合い」ということになる。
そして、この日のゲームもまさにそういう展開だった・・・。
平日のナイター開催。しかも10月。加えて、寒冷前線が通過中とあって、この夜の予想気温は実に「8℃」。だめ押しするならば、週末には「jubilo戦」も控えている。
HFCならずとも、頭が痛くなるような悪条件が重なったこの日、おそらくは多数の方がそうしたであろう、仕事を「強引」に切り上げ、厚別に参戦。なんとか仕事にケリがついた僕らが、一足先に厚別に到着し、ナリちゃまのご好意に甘えさせて頂いた。
暫く話し込むうちに、パラパラと大粒の雨にも降られたが、それも一時的なもので、断続的に降り続くものではなかった。ただでさえ寒いのに、その上「雨」でも降られようものなら、試合前から滅入ってしまうところだった。試合が始まってしまえば、あの熱いゴール裏中心部にいる限り、「寒い」という感覚は皆無なのだから、この開場までの待ち時間が最も「寒い」時間ということになる。周りを見渡しても、皆かなり暖かい格好をしていて、更にはその上にポンチョやカッパを着込んでいる。完全な冬装備で開場を待っているのだが、なにぶん「動き」がない為、身体が暖まる訳もない・・・。
それでも、すっかり恒例になった「たじさんのたこ焼き」を買いに行き、この日は改めてご挨拶をすることが出来ました。お店の画像の掲載も快諾して頂いて、感謝感謝です。この日もお店はたこ焼きが焼きあがるのを待つサポがたくさん!とても賑わっていて、たじさんはお一人で、とても忙しそうでした・・・。その間、僅かながらも会話を交わしながら、「たこ焼き」が焼きあがるのを待っていたら、開場時間はあっという間にやってきた。
17時に開場となり、いつものゴール裏中心部に腰を落ちつかせる。そしてゴール裏だけは、凄い勢いで空席が埋まっていった。ただ、それがひとしきり終わると、サポの出足はぱったりと途絶え、メイン・バックの「A自由」にかなりの空席が目立ったままの時間が過ぎていく。
寒風吹きすさぶ中、開場前に買った「たこ焼き」を頬張ってひとまず腹ごしらえ。それにしても、いつ食べてもたじさんの「たこ焼き」は最高です!やがて、仕事明けで駆け付けたおりりんが合流し、その後暫くしてくっちゃんも無事合流。
この頃になると、それまで続いていた、コールの練習会(この日の練習曲は”ブラジル”でした)もひと段落し、ゴール裏中心部の密集度はかなりのものとなっていた。はっきり言って「狭い!」のだが、こんな夜は、これぐらいが丁度良かったりする。何故って、それは暖かいからですね・・・。
あ、そうそう。言い忘れたが、この日の会場DJに「グッチー」が久々の登場。今季は室蘭でのナビスコ以来(たぶん)だから、かなり気合入ってましたね。試合前から、かなりテンション高かったです。その「グッチー」の気合入りまくりのDJで、ドールズが寒そう(に見えた・・・)な衣装でハイホーを踊り、その後のスタメン発表に雪崩れ込んでいく。
この日のスタメンには、謹慎明けの「WILLとBIJU」が復帰し、攻撃陣は久々にベストな布陣。中盤は、最近定着しつつある変則(攻撃的?)3ボランチで、中でもこの寒空の下「半袖」で登場した「森下」に驚愕!ただ、この姿には、いつでも半袖だったあの熱かった男「せっきー」を思い出し・・・。
対する広島は当然、自慢?の「3トップ」。真ん中と右に日本代表の「久保とMr.阿波踊り」が張り出し、2.5列目にはU−20で活躍した「森崎(和)」が攻撃のタクトを振る。CBには金髪になっていて暫く誰だか解らなかった「上村」が入り、攻守に渡って代表クラスの選手が要所を固めている。1stでは開幕2連勝で上昇気流に乗り始めた処に「まんまと一杯食わされた」シムテムだっただけに、一抹の不安を抱きながら、戦いの合図を待つこととなった。
やがて時計は19時を指し、キックオフを告げる笛の音が、厚別の漆黒の空に響き渡った。
序盤から壮絶なゲームだった。
広島の「3トップ」を封じるには、とにかく高い位置でプレスをかけて、ボールを奪う。これに限る。前に残った「FW3枚」に良い形でパスが供給されるのを阻止するのだ。その意味でも、この日の「BIJU」が1ボランチ気味で、「ヤマと森下」が前目でボールにプレスをかけるという戦術はズバリ的中したと言って良いだろう。「のの」が完全復帰し、BIJUと「ダブルボランチ」を形成できるまでは、このシステムがも最も効果的のような気がする。このシステムの確立は「のの」の故障が長期化したことによる「怪我の巧妙」なのだが、どんな形であれ、現有戦力で「理想を越える」という目的を達成した意味合いは非常に価値あるものだと思う。
試合は、広島の攻撃力を巧く削ぎ続けたコンサに徐々に傾き始め、かなり深い位置でのFKを立て続けに奪取した。WILLが放ったFKそのものが広島のゴールを割る事はなかったが、この連続FKで試合の流れは完全にコンサに傾いてった。
一度傾いた流れは大きな奔流となって広島ゴールに襲いかかり、前半の12分。左サイドを突破したWILLがゴール前にふわりとセンタリングをあげる。これに素早く反応した播ちゃんは相手DFとGKを背にしながらも、落ち着いて両者の動きを見切り、針の穴を通すような正確さでシュートを放った。そのボールはGKの脇をすり抜け、見事に先制点を奪取。
歓喜に包まれるゴール裏。他のコンサ選手にもみくちゃにされる播ちゃんを見つめながら、ひとしきり「播戸ゴール♪」で盛りあがり、更に追加点を!という気運が高まる。コールもサルトもいつも以上の冴えを見せ、試合開始前の不安を一掃するかのような、強力なサポートが更に加速していく。
この寒空の下に響く、フルボリュームのサポートは更にコンサの優位を際立たせ、前半の29分。今度は播ちゃんがゴール前のWILLにパスを送り、WILLの左足が一閃。丁度僕の位置からは広島のGKとWILLがかぶったので、インパクトの瞬間、ボールが一瞬消え、次にボールが現れたのはGKの頭上だった。しかもその位置はゴールバーの上だったから、「外した!」と思ったのだが、WILLの放ったボールには強烈なドライブがかかっていた様で、次の瞬間にはゴールネットが豪快に揺れていた。
まさに「技あり」の芸術的なゴール!
ゴール裏は再び「お祭り騒ぎ」となり、正直ちょっと「緩んだ」ような気もした。
直後、広島は「Mr.阿波踊り」を引っ込めるという、「謎」の交代劇を敢行し、中盤を完全にコンサに支配されてしまった。象徴的だったのが、広島の選手がパスの出しどころに窮して、最終ラインの上村に何度となくバックパスを繰り返していたことだろう。この度に、ゴール裏からは「口笛」や「イエ〜イ」という歓声があがり、アウェイのプレッシャーを広島の選手に浴びせ続けた。ゴール裏の「やりたい放題」はこの後もさらに続いた。こういう行為に対して、正直あまり好ましくない印象をもったサポもいたかもしれないが、ゴール裏は広島の選手が「やりにくい」環境を創りだすのも大事な役目だと思うので、致し方ないかと・・・。
前半はこのまま終了し、広島には反撃の糸口さえ掴ませなかった。ただ、J2降格が目の前をちらついている広島がこのまま終わるはずはないと思ったし、2点を「奪ってしまった」ことによって生じた「隙」というか「緩み」もちょっとイヤな感じはしていた。
ハーフタイム中も、あちこちで「残留」という言葉が飛び交い、完全に楽勝ムード。福岡戦を思い出せよ!と思わず言いたくなったが、前半の圧倒ぶりを見せられてしまっては、そう思っても仕方なかったかもしれない・・・。
後半は、「8時だよ、全員集合!」という掛け声で始まり、やはりやや緊迫感に欠けていたような気がする。これが「連勝中」から生まれる「精神的余裕」であり、悪く言えば「心の隙」や「慢心」という事になるだろう。神戸戦時に感じた、何点獲っても「貪欲な気配」と「緊迫感」がかなり薄らいでいたのは否定できない・・・。
広島は後半スタートから、なんと「久保」まで外すという「大博打」をうち、捨て身の攻撃で挑んできた。広島のヴァレリー監督が何を考えたかは不明だが、ただ、とにかく「必死」だというのは、痛いほどわかった。
この必死さが、厚別の勝利の女神の心を揺さぶったのか、後半3分。それは起きた。
ゴール前の競り合いで「森とスカチャンコ?」が接触し、主審の笛が鳴った。なんてことない、プレーのような気がした。だから、この笛に対して、大きなリアクションはなかったし、まさかPKになるとは夢にも思っていなかった。
試合後、VTRでも見てみたが、とにかく「謎」である。PKを奪った「スカチェンコ?」ですら、「え?いいの?」って顔をしていた位だから、間違いなく「謎」なのだろう。しかもこの主審、前節の「磐田vs鹿島」戦で、「ゴンvs曽ヶ端」の接触を流した「あのジャッジ」で一躍有名になった、「リムキーチョンさん」でした。あのプレーをTVで見た時、「こういう事ってあるんだな・・・所詮、審判も人間・・・」なんて思っていたが、まさかこの身に振りかかろうとは・・・。
結局うやむやなうちにPKとなり、怒号に包まれる厚別。
怒りの収まらないWILLは執拗にPKキッカー「コリカ」にちょっかいを出し、それを健作が必死に制止する。それでも納得がいかないWILLは最期の抵抗として、ピッチの芝をむしってボールに振りかけた。前節の観戦日記にも書いたが、ブラジル人らしいPKでの一幕だった。
このPKをきっちり決められ1点差。こうなると、さっきまでの楽勝ムードは完全に消え去り、ゴール裏では再び気合全開のサポートが始まった。
しかしこのあと、ヤマが強烈なチャージを受けて岳也と負傷交代すると、それまで機能していた3ボランチが綻びはじめる。広島は当然、ヤマが抜けて薄くなった中盤に襲いかかり、いつのまにか頭を包帯でぐるぐる捲きにしていた「上村」が、最終ラインから積極的に攻撃に参加することで、コンサの最終ラインを強引に下げさせることに成功。
そして後半22分。遂に同点ゴール強奪する。
同点にされ、一瞬意気消沈するゴール裏だが、落ちこんでいる場合ではない。まだ同点。これからだ!と「焦りや不安」を押し殺すようなサポートが開始された。ここらへんはホントに打たれ強くなったと思う・・・。
するとどうだろう。わずか2分後、WILLが勝ち越しのゴールを突き刺し、広島を再び引き離す。恐ろしいほどのWILLの集中力と、勝負強さに感激よりも感嘆を憶えた瞬間だった。
ゴール裏が歓喜に包まれるなか、コンサは森下を今野に代え、直後、広島も大木を引っ込めた。これでなんと、広島は自慢の「3トップ」のスタメン3人を全て交代させることになった。これはもしコンサに例えるなら、「WILL・播・ヤマ」を引っ込めて「岳也・曽田・トモ」を入れるようなもので、まさに「捨て身」の采配だといえるだろう。それだけ広島を「精神的、戦術的」に追い詰めていた、ということになる。
それでもなお、攻撃の手を緩めない敵ながら「天晴れ」な広島だったが、最期は手薄になった最終ラインをWILLにこじ開けられ、WILLの弾丸シュートのこぼれダマを播ちゃんに押し込まれて撃沈。まさに「玉砕」だった。
再び2点のリードを奪い、安堵と余裕が生まれたゴール裏。ただ、そこには前半終了時にあった「2点リード」の慢心は欠片もなく、試合終了の笛が鳴るまで集中力は切らさない!という、「強い気持ち」があった。 
試合はこの直後、播ちゃんが足を引きずりながらピッチを去り、満を持して「のの」がピッチに復帰。割れんばかりの歓声に包まれてピッチに立った「キャプテン」だが、試合後の彼のコメントでは、「サポーターの歓声も聞こえないくらい緊張した・・・」そうだ。「のの」は結局、ロスタイムを含めて10分ほどの復帰だったが、これからちょっとずつ出場時間を延ばし、もっと試合勘を戻して、再び守備面での精神的支柱として活躍して欲しい。
やがてロスタイム「3分」の表示が掲げられると、ゴール裏ではマフラーを掲げて「Go West」の大合唱が沸き起こる。試合は危なげなく進み、この歌に厚別全体が包まれたまま、試合終了の笛は鳴った。
まさに完勝。
力でくる相手を「力でねじ伏せる」という勝ち方は、観ていて、そして応援していて痛快だった。
2点のリードを追いつかれても、そこからまた突き放す「精神的な強さ」。主力選手がいない状況での戦い方を完全にものした「チームとしての完成度」。試合の状況に応じた応援が出来つつある「ゴール裏」。
コンサドーレというパッケージは、ここにきて今季最高の仕上りに近づきつつある。
次節は「王者・Jubilo」。1stでは悔しい負け方をしたが、あの時とは違う!という処を見せつけたい。
CHALLENGER SPIRITS!
We are SAPPORO!

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