〜観戦日記2001〜
2ndステージ 第5節 9月15日 清水エスパルス戦
「閉塞感からの脱出」
延長Vゴール方式。1993年、Jリーグのスタートと同時に世界で初めて採用されたシステムである。Jリーグの前身「日本サッカーリーグ」では「引き分け」が多かった事から、「つまらない」というイメージが定着し、結果として観客からそっぽを向かれてしまった。これは、世界のリーグや大会予選では当たり前の「引き分け」という概念が浸透していなかった「サッカー後進国」らしい発想だったのだが、Jリーグとしても華々しくスタートするに当たって、この「つまらない」というイメージはなんとしても払拭したかったのだろう。そこで採用されたのが完全決着が基本となる「延長サドンデス方式」だった。この「サドンデス=突然死」という言葉は後に「Vゴール=Victoryゴール」と改められ、世界に広がっていった。W杯予選でもこのVゴール方式は「ゴールデンゴール」という名で採用され、その第1号はフランスW杯アジア予選・第3代表決定戦での「野人・岡野」のゴールである。
この日本生まれのシステムは世界中で幾つものドラマを生み、世界中のサッカーファンの喜びと悲しみを演出した。
そしてこの日、札幌ドームでも「Vゴール」から、一つのドラマが生まれた・・・。
この日は、いい意味で肩の力が抜けていたと思う。
4連敗中という状況を考えれば、もっといきり立っていてもおかしくはないのだが、この日の相手は清水エスパルス。コンサがこれまで5回対戦して一度も勝ったことがない相手であり、1stステージも「2−5」と惨敗している。だから「絶対勝つ!」というよりは「勝負はやってみないとわからない!」といった感じだっただろうか・・・。
札幌ドームでの試合も、7/21の「とんでもなく熱狂した」あのFマリ戦での初開催から数えてこれで3戦目。最初は違和感の塊だったドームにもそろそろ馴染んできて、やっと「ホームらしく」感じるようになってきた。
快晴の空の下、国道36号線沿いに佇むドームに到着。いつものことながら、早朝だというのに凄い数の人たちが列を作っている。今回も僕らが先に到着したので、ちょっとの間おりりん達が合流するのを待ったが、ほどなくして無事合流。その後しばらくしてCVSの皆さんが登場し、恒例の民族大移動が始まる。USを先頭にぞろぞろと行進し、それまでごちゃ混ぜだった列を整理していく。これで開場までの並びの列が確保され、あとはひたすら開場を待つ事になるのだが、 この日はその待ち時間を利用して、かねてからML等で美味い!と評判の「たじさんのたこ焼き(ほっと12・サポートシップスポンサーさんです)」を買いに行く事にした。一旦ドームの敷地を出て、歩道橋を降りる。そこから左に曲がってちょっと歩くと、そこには移動式の軽1BOX店舗があり、店長のたじさんが頭にコンサバンダナを捲きつけて、忙しそうに「たこ焼き」を焼いていた。お店はそれこそ大盛況で、焼き上がるまで結構待ったが、その待ち時間に「ニケさん」にお会いしてコンサ談義に華が咲いたりと、気がつけば「たこ焼き」が焼きあがっていた、といった具合。期待に胸膨らませながら、足早に並びの列に戻り、アツアツの大きな「たこ焼き」を頬張る。
「お〜!美味い!」と4人揃って、しばし感動♪これはおすすめです!ちなみにお値段は6個入りで「350円→300円」。味は通常の「青海苔マヨネーズ」と身体が温っまる「ピリ辛」の2種類です。
その「たじさんのたこ焼き」を買って列に戻る時、黄色が眩しいエスパルスのレプリカに身を包み、これまたエスパルスのマスコットキャラ「パルちゃん(おっきい、10000円のやつ)」を抱える女の子を多数目撃。これが噂の「ジャンボパルちゃん連合=ジャパ連」らしい。まあ、このパルちゃんについては、パルちゃんをこよなく愛するおりりんの観戦日記「パルちゃん大収穫祭」をどうぞ。
やがて開場時間となり、一斉にドームに突入するサポ軍団。なんとこの日は、前売りが「完売」したらしく、ホーム側ゴール裏は恐ろしい勢いで埋まっていった。アウェイ側に目を向けると、黄色い軍団もいるわいるわの大部隊。アウェイ側ゴールの真裏に陣取り、遠路遥々やってきた「ビッグフラッグ」の展開具合を入念にチェックしている。アウェイにまで、あのビッグフラッグを持ってくるあたりは、率直に敬服である。
その間、モスで買ったポテトで小腹を満たしつつ試合開始を待つが、ここはドーム。試合開始まで「3時間」もあるのだ。この長すぎる待ち時間もドームの欠点といえば欠点か。
そうこうしていると今度は、アウェイ側スタンドに突如「制服姿」の若者たちが大挙して現れた。恵庭南高が開校50周年記念事業として、全校生徒1210人でコンサ観戦にやってきたのである。これは間違いなく、一団体としては「最多」だろう。アウェイ側スタンドに溢れ出た生徒たちはみるみるうちにゴール裏を埋めていき、最終的には縦2ブロックを占拠してしまった。これはこれで圧巻だった。この試合後、あの中からもう一度ここに足を運んでくれる若者がいてくれたら、凄く嬉しいことなのだが・・・。
さて、この日の試合は「JALサンクスマッチ」ということで、「JAL繋がり」のエスパルスから、JALの現役スッチーさん(最近はフライト・アテンダントっていうんですよね)で構成されたダンスドリルチーム「JAL Jets」がドームに登場。試合前には躍動感あるダンスパフォーマンスを披露し、その後の「DOLLS」とのハイホー!のジョイントパフォーマンスでもドーム中から大喝采を浴びていた。
やはり大きなスポンサーが絡むと、オープニングが華やかなものである。
あと、華やかとは無縁なのだが、この日の主審シュタルクさん(背が大きくてカッコイイです)をはじめとする審判団が、試合前にピッチ上で入念にウォームアップをしていた。昨年、ミラノのメアッツァでもこれと同じように、審判団が30分くらいかけて入念にアップしているのを見たが、日本ではJリーグ・代表の試合を通じて初めて見たような気がする。また、この入念なアップのおかげなのか、この日の主審・副審のジャッジは近年稀にみる見事なものだった。こういう「巧い」試合運びを見ると、Jの審判レベルの低さ改めて痛感させられる。ちなみに7/21のFマリ戦で主審を務めた「ディック・ヨルさん」。先日、同氏の母国オランダで、伸二が出場した「エールディビジ」でも、笛吹いてましたね。
さあ、そうこうしているうちに時間は流れ、試合開始の時刻が迫った。
アウェイに陣取るエスパルスサポのコールも大迫力で続いている。なにが凄いって、太鼓の重低音がもの凄く響いていたこと(決してサンバ隊に驚いた訳ではない)。それに負けじと、こっちのゴール裏もハイテンションでコールとサルトを繰り返す。気合は充分に漲っていた。ただ、前節・福岡戦時のような「究極」に張り詰めた空気は感じられなかった。これはやはり、相手が清水ということで、良い意味で「開き直って」いたのだろうか。それとも最初から諦めムードだったのか。僕個人的には、前者であると信じていたが・・・。
やがて試合開始の時刻となったのだが、その前に「アメリカ同時多発テロ」の被害に遭われた皆さんのご冥福を祈り、1分間の黙祷が奉げられた。それまでけたたましい音色を奏でていた太鼓の音もピタリと止み、ドームは静寂に包まれた・・・。
「被害に遭われた皆さんのご冥福をお祈り致します」
そして、試合開始の笛が鳴る。
その瞬間、静寂は突如として消え去り、ホーム側・アウェイ側問わず、強烈な応援合戦が始まった。
序盤、ペースを掴んだのはコンサだった。この試合、清水は「モヒカンと斎藤」を欠いた為、試合開始直後は、中盤の底からディフェンスラインにかけて、ちょっと「曖昧」なスペースがあったように思う。コンサはそこを突き、「ヤマや俺王」が中央突破から右へ左へとパスをさばく。その両サイド、「アダウトと龍ちゃん」もサイドチェンジを有効に使い、清水のディフェンスラインを揺さぶりにかかる。久々に見るコンサの「良い形」にゴール裏のテンションも上がる。強烈なコールとサルトで選手を鼓舞し、先制弾が奪える雰囲気を創り出していった。
しかし、コンサ最大の弱点ともいえる「アダウトと健作」の連携不足を見事に突かれ、左サイドを崩される。フランスW杯時、17歳にして日本代表候補に選ばれ、フランスの地に辿りつきながらも、最後の最後で「カズ&デコ」と共に、登録選手から漏れた(切ったのは、誰であろう、当時の代表監督・岡田武史である)市川からゴール前に詰めた「ノボリ」へパスが出る。これをノボリが身体を反転させながら、絶妙なタッチでボールを浮かせ、そのボールは綺麗な放物線を描きながら洋平の頭上を越えていった。まさか「あの体勢から・・・」という、敵ながら見事なゴール。洋平はもちろん、ゴール裏までもが「あっけにとられた」ゴールだった。いい感じで攻めていたコンサだけに痛い失点であり、アウェイゴール裏では待ってました!とばかりにビッグフラッグが広げられるも、「失点慣れ」したこちらのゴール裏にしてみれば、そんなことは「意にも介さず」更に集中力の増したサポートが始まった。
ほんとに「慣れ」というものは恐ろしい。昨季は失点自体が珍しかった為、今季は失点すると、ゴール裏もちょっと「浮き足立つ」感じがあったが、この日そういった感じが完全に消えていた。
コンサの選手たちもゴール裏のサポートに応えるように積極的にゴールを目指す。清水もコンサが「前がかり」になったところを突いて強襲を試みるが、攻撃の基点であるノボリが最初の得点以後、今野に「密着マーク」されたことで中央からの攻撃を捨てることを余儀なくされ、左サイドの貴公子「アレックス」の突破に頼ろうとした。しかし悲しいかな、この日のアレックスは本調子とはいい難く、この日が初スタメンで驚異の運動量を誇る「板さん」こと森下にうまくスペースを潰され、決定的な仕事ができない。こうなると最大の不安はやはり右サイドの「市川とアダウト」のマッチアップとなる訳だが、この日のアダウトはとにかく「広いスペース」を与えらた(俺王が必要以上に寄っていかなかった)ことによって、持ち前のキープ力を発揮し、攻撃に徹することで市川を封じていった。「攻撃は最大の防御なり」といったところか。
ただ、もしこの日「テル&モヒカン」のダブルボランチが健在で、ディフェンスラインに清水三羽烏の生き残り「大榎・36歳」ではなく、斎藤が入っていれば、森岡の負担も相当減っただろうし、もっと違った展開になっていたとは思う。我がコンサとしては、ありがたい限りだったが・・・。
前半は結局、ノボリの「あのゴールだけ」で終了。試合は歓喜と絶叫渦巻く後半戦へ突入する。
そしてこの物語も今季2度目の後編へと続く。後編はこちら

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