観戦日記2001〜
2ndステージ 第4節 9月8日 アビスパ福岡戦
「信じる心」 

 前節の横浜Fマリ戦で、またしても延長Vゴール負けを喫し、2ndステージ「3連敗」という最悪のスタートを切ったコンサが厚別に帰ってきた。1st最終節のFマリ戦、ホーム前節のFC戦がドーム開催だった為に、随分久し振りの「聖地」帰還である。思い起こせば、厚別の前開催はあのJEF戦。ホーム側のゴールにVゴールを突き刺されるという「衝撃的」な終わり方をした試合だった・・・。ん?ちょっと待てよ・・・。この前、僕らが勝ち試合を見たのはいつだ?
「・・・・・・・。」
 厚別開幕の「鹿島戦」。あれ以来、「勝ち」を見ていない。これは、ホームゲームを得意としてきたコンサにとっては「危機的」な状況である。僕らのサポートにも「足りない何か」があるのだろうか?ケガ人が続出し、チーム状態が悪いのは分かる、それでも「ホーム」ではなんとかなる。いや、なんとかさせる!それぐらいの気持ちでサポートを続けてきたが、ここまでくると正直「不安」というか「迷い」も生じてくる。
 が、しかし!今回は「厚別」。しかも相手は宿敵「福岡」。
 絶対に負けられない相手だけに、気合いだけは入っていた。この日の為に、USを始めとするゴール裏では「ある計画」も練られていた。

 前日は雨だった。それもかなりの雨。久し振りに、試合当日の天気が気になった。でも、昨季を思い出すと、毎試合天気を気にしていたような気がする。YAHOO!の天気予報を眺めながら「晴れろっ!」って何度思ったことか・・・。と、こんなふうに昨季の「良かった頃」のことを思い出すあたりも、現在コンサが苦しい状況に立たされているからかもしれない・・・。
 そして試合当日。雨は上がっていて、天気も回復傾向らしい。ただ、ウチの奥さんは今季初の「欠席」が決定。しばらく「のど」が痛い状態が続き、治ってはまた痛くなるを繰り返していたのだが、次週の清水戦を考慮して今回は涙の「欠席」。かくゆう僕も「のど」が痛く、本調子には「ほど遠い」状態だったのだが、この試合をTVで見る気には到底ならず、半ば強引に参戦。
 久し振りに厚別に到着し、ひとまず腰を下ろす。しばらくしておりりんたちが合流し、新外人は使えるのか?の話題で暫し盛りあがる。ここからはいつものようにまた〜りとした時間を過ごし、開場をひたすら待つ。
 厚別に着いた頃はちょっと肌寒い感じもしたが、開場を迎える頃にはすっかり暖かくなっていて、スタンドに陣取ると「暖かい」ではなく「暑い」になるだろうなと容易に想像が出来た。そして案の定、スタンドは暑かった。いや、熱かった。紙テープ大作戦
 前開催のFC戦が嘘のようにピリピリした空気が漂い、心なしかゴール裏自体も落ちつきがない。これは「ある計画」の準備の為に、忙しく動き回っていたせいもあるのだろうが、それにしてもFC戦とは全く違う緊張感があり、この一戦に賭ける意気込みが伝わってきた。
 ただこの試合、ホームのゴール裏はあっという間に埋まったが、アウェイ側のゴール裏やアウェイ寄りのA自由席には空席が目立ち、今季最低の入場者数だということは確実な情勢だった。9月には「3試合」ホームゲームが組まれているから、しょうがないか・・・とも思うが。ちょっと残念・・・。
 さて、試合開始まで「厚別」は2時間である。3時間ある「ドーム」に比べると、あっという間に感じる。この試合では、この時間を利用して「ある計画」の決行手順をUSがゴール裏の各ブロックを回って説明し「ある計画」で使うアイテム。そう「紙テープ」を配って回る。そしてこの紙テープ。赤黒合計で3600本あり、基本的にUSの出資金とゴール裏で集めたカンパでまかなわれている。ビジュアルに訴えるイベントはそれなりにお金がかかるんですよね。でも、結構キレイだったでしょ? 
 で、この紙テープを投げ入れるタイミングは、コンサの選手の4人目がピッチのラインを跨いだ瞬間!という事だったのですが、地上波のTV局の方は、全くフォローしてませんでしたね。秘密だったから、仕方なかったのかも・・・。ただ、ゴール裏に設置された「クレーンカメラ」には参りました。ドームではそれほど気にならなかったのですが、視線が低い厚別では「モロ」に邪魔です。ゴール裏中央部からはアウェイ側のゴール前が「もの凄く」見難かった。結構不満の声もあがっていたし・・・。
 そして、この突然の紙テープに意表を突かれた各スタンドのざわめきの中、高らかに試合開始の笛は鳴った。
 序盤、拮抗した展開の中でコンサが徐々にペースを握っていく。その中でも注目はやはり新加入のアダウトくん。
 この試合では、コンサの攻撃の要所である左サイドを任され、味方の選手もアダウトに積極的にボールを回していたようだ。ただ、残念なのは敵選手と1対1になる場面があまりなかったということ。ただこれは、俺王が「気の優しい兄ちゃんぶり」を発揮して、アダウトがボールを持つと、左に「開きまくって」いたせいであり、アダウトは必然的に「パスを出さざるを得ない」状況に追い込まれていた。という見方が正確なのかもしれない。彼にはもっとスペースを与えて、1対1の突破からゴール前に切り込んだり、正確なセンタリングを見せてもらいたいと思う。ただ、あと2、3試合使ってもチームにフィットしなかった場合、非情だが早めに「切る」ことも考えておく必要があるだろう。ミルを切ってまで獲得した選手だけに期待は大きいのだ。今後の活躍に注目である。
 福岡の選手たちは試合開始直後からかなり「ガツガツ」と当たってきた。ゴール裏で随分と兆発(ハチにXマークの大ダンマクも登場)したからかもしれないが、「ノ」なんかは特に熱くなっていたように見えた。ただ、この圧倒的なアウェイの雰囲気の中では、悪役(ヒール)に徹した方がかえってやり易いという事を知っているからこその「熱さ」であり、この辺はさすがに多くの修羅場をくぐってきた「ノ」らしいとも言える。見てると腹立ちますが・・・。
 そして前半26分。ゴール前の混戦から誰か(厚別のゴール裏からはいつもこんな感じ。実際は俺王と播の見事な連続ワンツーでした)が先制のゴール!待望の先制点に沸きに沸くゴール裏とコンササポ。しかし、先制点を奪っても「守りきれない」展開が続いていることをイヤというほど思い知らされているから、浮かれた感じは全くない。ゴール裏のサポートもかえって引き締まった感があった。その後、この日CBに入った先生を中心にDF陣は安定したディフェンスを見せ、このまま「1−0」で前半が終了すると誰もが思った前半ロスタイム。ゴール前の混戦からヤマ(これは分かった)が値千金の2点目を奪取!
 これで「今日こそは!」と誰もが思ったに違いない。永らく続いたこの閉塞感から遂に抜け出すことが出来る!そう確信させるほど価値ある追加点だった。
 しかし、この「1点」がチームに、そしてゴール裏に、油断というか気の緩みをもたらせてしまったのだろうか・・・。試合は予期しない、泥沼の展開を見せた後半へと突入していく。
 後半に入り、守備に偏重し始めたコンサ陣内に福岡が猛攻を開始。この試合で、「ナツ&森」という長身ストッパーを欠くDFラインにサイドから容赦ないクロスが放り込まれ、コンサのゴール前は大空中戦となるが、完全に制空権を奪われ危機一髪の場面が増えていく。
 そして後半18分。ゴール前を固めすぎて、ミドルレンジでのチェックが甘くなったスキをバデアに突かれ、火の出るようなミドルシュートを突き刺され1点差。あまりに豪快なシュートで失点自体に対するショックはかえって少なかったが、これでリードが1点となり、ゴール裏を言い様のない緊迫感が包み始める。とにかくこのままずるずる行かないように、必死のサポートを送り続けると、その僅か10分後、ゴール前に飛び込んだ播ちゃんが後から掴みかかれて倒された。怒号のような歓声と歓声の中、主審の右腕はPKスポットを指し、見事にPKを奪取。最後の1、2歩の踏ん張りがこのPKを呼んだといっていい。
 そして蹴るのは勿論この人、俺王。いつものように慎重に歩幅を確認しながら後にステップし、主審の笛を待つ。水を打ったように静まりかえるゴール裏。その中に響く、乾いた笛の音。そしてサポーターは祈る・・・。
 俺王の左足から放たれたボールは見事にGKの逆を突き、今季最多となる「3点目」を奪取。これで再び「2点差」。残り時間も20分を切っている。延長なくそうよ・・・
 しばらく残ったPKの余韻の中で「貰った!」という、揺るぎない確信がゴール裏を包んでいく。ただ、これで急に「ディフェンシブ」になるのだけは危険だと感じていたのだが、この日のコンサは「4点目」を狙って積極的に前に出てくる。ゴール裏のサポートももちろんそれを後押しし、厚別全体が勝利に向って加速していった。
 それなのに、勝利の女神はコンサにまだ試練を与えたかったようだ。
 後半35分。播ちゃんの見事なゴールが不可解にもオフサイドとされ、4点目が「幻」に終わると、ゲームの流れが変わり始まる。この直後、ビアージョがヘディングで1点を奪い、再び1点差。そしてこの後、福岡へ傾いた流れを激流に変えてしまったのは、これに慌てたコンサが完全に引いてしまったことにある。
 最後の10分間は完全にサンドバック状態。右から左からクロスを放り込まれ、それをなんとかクリアしても2列目、3列目から上がってくる福岡の選手にことごとく拾われる。まるでナイフの上を裸足で歩いているかのような、緊張と恐怖が一緒くたになった苦しい時間が続いた。
 やがて夕暮れが迫り、厚別のピッチを照らす明りが選手に影を作り始める。残り時間もほとんどなくなり、ピッチサイドに掲げられたロスタイム3分の「3」の赤い文字が、やけに眩しく思えた。
 あと3分。この時、ゴール裏は今季最高かと思えるほど、必死にサポートを続けていた。JEF戦での惨敗、2nd開幕3連敗、宿敵福岡・・・。もう頭の中はごっちゃで、何を考えているのか分からない。ただ純粋に、とにかく純粋に「勝利目指し共に唄おう!」それだけを胸に戦った。
 しかし、後半ロスタイム。
 ロペスにヘディングでの同点弾を許し。崩れ落ちるコンサイレブン。
「なにやってんだ!立てーーーーっ!」
 溜息とやるせない怒りに包まれたゴール裏のどこからかそんな怒声が聞こえた・・・。

悪夢を冷静に告げるスコアボード「信じろ!信じろ!」
 ヒロくんがそう呼びかける。延長開始までのインターバルの間、マフラーを掲げ、魂を込めて唄いながら、「信じる心」を呼び覚ます。この「信じる心」が選手届けば、「勝てる!」。もう、心の拠り所はそこしかなかった。正直、ゴール裏という「この場所」にいなければ、僕個人の気持ちは「切れて」いたかもしれない・・・。でも崩れ落ちそうな心は、ここにはいらない。ここで必要なのは、コンサの勝利を信じる「強い心」だけ。そう思える「強い意思」がここにはあるし、ここにいればそれを「信じる」ことができる。だから唄い、跳び、ゴール裏の「信じる心」をひとつにしたいと願う・・・。
 でも、その心は選手には届かなかった。
 延長前半6分。ヤスのセンタリングをまたしてもロペスに決められ、終戦。その場に力なく崩れ落ちるコンサイレブン。そして、ゴール裏に集いし「信じる心」を持つものたち。呆然とその場に立ち尽くすもの、言葉にならない野次を飛ばすもの、頭を抱えへたり込むもの・・・。
 これでホーム3連敗。信じたくないが、信じなくてはならない現実。
 その後、うつむきながらゴール裏に挨拶にきた選手たちの背中に、敗戦時としては「最大級」のコンサコールが投げかけられた。甘やかすな!という批判の声も聞こえてきそうだが、あの時「大ブーイング」で迎える気にはなれなかったし、健闘を称える拍手を贈る気にもならなかった。でも気がついたら、バカみたくデカイ声で「コンサドーレ!」と叫んでいた・・・。ただ、選手たちの姿がピッチ上から消えると、再び言いようのない悲しみと憤りが頭の中を駆け巡り、暫し立ちあがることもできなかったが・・・。
 
 僕たちにできることはなんだろう・・・。審判へのクレームか、はたまた選手起用へのクレームなのか・・・。多分、そんなことは「二の次」だ。
 一番大事なのはコンサの勝利を「信じる心」を持つこと。チーム状態が悪化してくると、選手たちには疑心暗鬼が芽生えるかもしれない。ただ、チーム的にはそれほ悪い状態でもない。少なくとも点は獲れている。小さなきっかけひとつで劇的に好転する可能性だってある。新戦力もいる。そして僕らがついている。

 だから信じよう、勝利を!
  
 歴史上、止まなかった雨はないし、昇らなかった太陽もないのだ!

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