〜観戦日記〜
第36節 10月1日 大分トリニータ戦
「最後のヤマ、征服!」

 このヤマを上りきれば、その先にあるものはJ1昇格(以下、復帰)。

 前節駒場で、宿敵レッズを激闘の末にくだし凱旋してきたコンサの戦士達。しかし彼らに休息の時はない。今日はJ1復帰に向けて最後のヤマ。大分トリニータ越えが待っていた。
 大分とは今シーズン3戦して、1勝1敗1分け(内、延長2試合)と完全に五分。しかも前回のアウェー大分戦では、DF森の「まさか!」のオウンゴールで苦杯を舐めさせられている。ある意味レッズよりも組し難い相手といえる。前回のホーム厚別6/10の対戦でも、延長の末、高木とトリGK前川の接触からこぼれたボール(ファールすれすれ)を播ちゃんがなんとか押し込んでVゴール勝ち。この結末に納得がいかないトリFW俺王(ウィル)が最後まで暴れていたのが思い出される。
 そして迎えた今日、大分トリニータとの最終戦。
 J1復帰を目指すコンサはもちろん、2位レッズとの勝ち点差を詰める為には絶対負けられないトリも、この試合は今後のシーズンを戦うに当たってとてつもなく重要な点、いわゆるビッグポイントだった。
 それは選手同様、僕らサポーターにとっても言えることで、この日は熱い戦いになることをたやすく想像させた。
コンサドーレ号 除幕前・除幕後 さて、肝心の試合に入る前に、この日は文字どうり試合前にコンサ選手移動用の「コンサドーレ号」の贈呈式が行なわれた。贈呈式にはドールズやドーレくんも参加して華を添えていた。このバスを製作したのは「JR北海道バス」で、「道民の球団コンサドーレに何かお役に立てないか」との考えから、このコンサ専用バスの製作と贈呈を思いついたそうだ。贈呈式の中で、コンサの球団社長田中氏は、「コンサドーレが今まで欲しくて欲しくてならなかったこの専用バスと、間もなくオープンの(白い恋人サッカー場)の二つを一度に頂くことができ、大変嬉しく思っております」と、感慨深い挨拶。その後、ドールズも参加しての除幕式(この時の模様の画像、アップしてます。また、その画像にカーソルを合わせると、コンサドーレ号が現れます)で、赤黒のボディーに身を包んだ「コンサドーレ号」が姿を現すと、周りからは拍手喝采が巻き起こり、大分との最終決戦を前に、盛大な前祝いとなった。
 快晴の厚別天気は快晴。この天気に負けないような快勝を誰もが期待したことだろう。
 そして最後のヤマに選手・サポーターは挑んでいった。
 試合は一進一退の大激戦。前節レッズ戦で負傷した龍さんに代わって久々に先発の保っちゃん。そして司令塔の位置にはジュビロから期限つきレンタルの清水がこれまた初先発。ただ、この二人あまり良くなかった・・・。
 前半42分。それは最悪の形となって現れた。保っちゃん本日2枚目のイエローカードで「退場!」。まさに悲劇。闘志がカラ回りした結果の悔やまれる大失態だった。これでコンサは、10人で俺王率いるトリ軍団に立ち向かわなくてはならなくなってしまった。
 「せっかく先発したのに、何やってんだよー!」とため息混じりの罵声が飛び、ざわめきはじめる厚別。それでもなんとか、前半の残り時間を耐えたコンサの戦士達と、既に声が枯れ始めたゴール裏。しかし、そのハーフタイムに僕らは思った。僕らが11番目の選手になって戦おうと。
 実際、今季コンサは10人になった試合で負けたことがない。記憶に新しい8/19湘南戦では11人の湘南を完全に圧倒している。だから、後半に入ってからのゴール裏のサポートはいつも以上に熱く燃えていた。
 おまけに大分の拙攻にもずいぶんと助けられた。コンサは清水に代えて先生を投入し、守備を固めてカウンターを狙うサッカーに徹しのだが、それにじれた大分が不用意に攻め始めたからだ。もともと引いてくる相手にはあまり手だてが無い大分だから、チームのバランスが崩れ始め、後半16分エメのカウンターから絶妙なスルーパスがミルに出た。この時点で勝負ありの完璧なキラーパスだ。ミルはそのパスを慎重にさばくと、キーパーの動きを冷静に見ながら、待ちに待った今季初ゴールを決めた。
 HOME側ゴールだったので、ゴール裏も待ってましたの大爆発。そこらじゅうで巻き起こる「ミルコール」。しかもそのわずか8分後に、今度は播ちゃんの豪快なミドルシュートが炸裂!勝利安全圏の2点差をつけた。
 試合はこのままコンサのペースで進み、もう誰もがコンサの勝利を確信したであろう後半35分、ミルの不用意なヘディングでのバックパスがキレイにトリに渡り、まさかの1点差。この日ミルは先制点をあげていたからまだ良かったが、もしそうでもなければA級戦犯もののボーンヘッドだった。ただ、1点差に肉薄されるとゴール裏のサポートは「ちょっとした余裕モード」から「火のついた必死モード」へシフトチェンジ。まさに「声が枯れるまで声を出し、足が折れるほどサルトする」を具現化する。ここで追いつかれる訳にはいかないのだ!前回6/10の悪夢を振り払う為、僕らも戦い続けた。
試合終了後の選手達の挨拶 おまけに、ハーフタイムの段階で、レッズがまたしても新潟に鳴尾のハットで惨敗。の情報が入っていて、ここで勝ち点3が奪えればJ1復帰はもちろん、J2優勝もぐっと近づく。だからなおさら追いつかれたくない!そう願うサポーターの想いに応えるように、ゴールを死守するコンサの10戦士。一人少ない数的ハンデを背負いながら必死で戦い続け、足も止まり始めたその体に、あと少し、ほんの少しの力を与えようと、絶えることなくコールとサルトを繰り返すゴール裏と厚別全てのサポーター。
 そして、その願いは確かな形となって身を結んだ。
 眼下の敵、大分を破り、今シーズン最後のヤマ征服!
 そしてその頂上で、僕らは「J1復帰とJ2優勝」を見た。2年間追い求めた「夢」がそこには確かにあった。
 
 10人。それを全く感じさせない見事なゲームだった。


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