〜観戦日記〜
第10節 5月4日 湘南ベルマーレ戦
「ニューヒーロー」
いよいよこの日がやってきた。コンサの厚別開幕戦。僕的にも4月9日の室蘭が今季初観戦となる筈だったのが、有珠山噴火の影響で約一月伸びてしまっていたので、まさに、待ちに待った開幕戦だった。
TV中継(スカパーなど)では、今季新加入のFWエメルソンが開幕直後から大暴れしているのをかなり驚きながら見ていたが、今日はこの目で実際に見る事ができる。もの凄く楽しみだった。去年とはメンバーが大幅に代ったフィールドプレーヤーもどんなプレーを見せてくれるのか、期待は膨らむ。ただ、今年のベンチには「せっきー」がいないのが悲しかった・・・。
今日の天気は晴れ、とはいかないまでもまずまずの天気。開場を待つ間も雲の切れ間から陽が射してみたり、厚い雲が長い間競技場の上に居座ったり。ただ、雨だけは降らないで欲しい・・・そう思っていた。
そしていよいよ開場。ゲートで真っ赤なチューリップハットを貰い、急いでゴール裏に陣取った。さすがにみんな、この日を待ちわびていた様であっという間にゴール裏・メイン・バックのスタンドが真っ赤に染まっていく。今季、厚別初登場のドールズがゴール裏と一体となったパフォーマンスを繰り広げる頃には、AWAYスタンドまでもが真っ赤に染まっていた。ただ一つ、ベルマサポが陣取る一角を除いて。
さあ、待ちに待った選手入場。スタンドは超満員。バックスタンドにはビッグフラッグも広げられ、ゴール裏のボルテージも一気にピークに達した。もう、何がなんだか分からないままキックオフ。播ちゃんは残念ながらこの日の復帰には間に合わず、エメとトモの2トップ。さて、エメはどんな動きを見せてくれるのか。
「早い、美味い、安い?」なんだか牛丼やのコピーみたいだが、とにかく速い。そして巧い。現時点では安かった。と思う・・・。おそらくエメのスピードはJ2ナンバーワン。いや、J1を入れてもナンバーワンかもしれない。そう思えるほど、実際にピッチ上を駆け回るエメは速かった。相手DFの裏を取ったら、ゴールまで一気に持っていく。これで、まだ18歳というのだから、ブラジルという国の奥の深さを感じさせられる。そうそう、あの神様ペレも17歳でW杯にデビューしたんだよね。
そして前半23分、エメがやってくれた。その瞬間、スタンド全体(ベルマサポ除く)が今季初のゴールに酔った。この大歓声の中、きっちり決めてくるあたりが、エメが並のストライカーではない事の証だろう。
そしてこのまま前半終了。コンサがボールを支配し、内容的にも湘南を圧倒していた。
後半に入り、なぜかコンサの中盤が機能しなくなった。だからといって湘南に押し込まれた訳でもないのだが、岡田監督はグリとルーキー山瀬を投入。中盤の立て直しを計った。この起用が後に奇跡を呼ぶことになる・・・。
ゴール裏も今季初の厚別で気合の入った応援が続いた。そして、誰もが(ベルマサポ除く)このまま逃げ切りかと思われた後半42分。ミルのミスで奪われたボールが、絶妙なクロスとなりAWAYのゴールネットを揺らしてしまった。まさか(しつこいけど、ベルマサポ除く)の同点。
呆然とするゴール裏。あちこちから、悲鳴とも怒号ともとれる声が響く。それでも、ゴール裏は負けない。ここで、沈んでしまったら、選手の気持ちが萎えてしまう。そう思い、ゴール裏に集う誰もが、心の限りの声援を選手に送った。
そして奇跡は起きた。
あの致命的なミスをしたミルが絶妙なクロスをあげる。エメが競り、こぼれたボールがルーキー山瀬の前に・・・。
そのボールが、ゴール裏に最も近い相手ゴールのネットを優しく揺らす。山瀬のVゴール。
その瞬間、スタンドの温度が何度か上がったような感覚にとらわれた。耳もほとんど聞こえない。ただ、ののさんや先生たちにもみくちゃにされているヒーロー山瀬が見えただけだった。

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