Calcio is My Life

2002 FIFA WORLD CUP KOREA/JAPAN
「W杯と・・・後編。 は〜ん」 

は バラック
  
  大会前の評判の低さを覆し、見事準優勝に輝いたドイツ。
  その最大の功労者として、守護神カーンがあまりにも大きくクローズアップされたが、忘れてないならいないのは、この人。
  ドイツの新皇帝「ミヒャエル・バラック」である。
  欧州予選プレーオフ第2戦で、シェフチェンコ擁するウクライナのW杯初出場という悲願を打ち砕く活躍を見せた彼は、
  今大会最も注目するプレーヤーの一人だった。だが残念ながら、欧州CLで疲弊しきった彼の身体はベストには程遠く、
  ダイスラーの欠場という致命傷を負ったドイツ攻撃陣を大会最後まで引っ張り続けるのはほとんど不可能に思えた。
  それでも彼は決定的な場面でドイツを救い続け、遂には準決勝の韓国戦で、自らの決勝戦でのプレーと引き換えに、
  チーム最大の危機を救う。バラックの自己犠牲がチームを決勝へと導いたのだった。
  それにしても、バラックをはじめとする、ノイビル、シュナイダー、ラメロウら「レバークーゼン」の選手たちにとって、
  今季は悔しいシーズンだったことだろう。ブンデスリーガ、欧州CL、W杯と3つのタイトル全てを目前で逃したのだから。。。
  ただ一人、ブラジルのルシオだけは、W杯を手に入れたが。。。

ひ ヒディンンク

  韓国をベスト4進出に導いた知将にして闘将。フース・ヒディンンク。
  フランスW杯で母国オランダを率いたヒディンクに韓国は「5−0」と大敗を喫したのだが、
  その時の監督を韓国サッカー史上初の外国人監督として迎え入れた韓国サッカーのなりふり構わぬ戦略が、
  今大会の韓国の大躍進を生んだ。
  決勝トーナメントのイタリア戦・スペイン戦で見せた、FW6枚での総攻撃という強気な姿勢も、
  韓国の国民気質とマッチしていたようで、韓国国民にとって今大会最高のヒーローはヒディンクだった。
  ただ、名誉国民とか大統領就任希望とかまでいっちゃうのは。。。
  また、ヒディンク率いる韓国があそこまで躍進しなければ、トルシエの功績があれほど霞む事はなかったかも(笑)
 

ふ フィーバー・ノバ

  本大会で使用された公式使用球。
  ベッカムも設計に参加したというハイテクボールだったのだが、選手たちの評価は両極端だった。
  というのも、このボール。ボールに入力された力が「もの凄く」素直に反映されるらしく、
  このボールを今大会で初めて使った選手たちは「軽くて飛びすぎる」ボールと感じたらしい。
  CKやFKで、蹴られたボールがとんでもない方向に飛んでいってしまったのが多くみられたが、そういうことらしい。
  また、あまりに予想外な弾み方もするらしく、ビエリはシュートミスをボールのせいにしていたりする(笑) 
  ちなみにイタリア・セリエでの試合球はチーム毎に違っていて、シュートミスをボールのせいにした、ビエリのインテルはナイキ。
  ミランはアディダスで、フィーバーノバを使用している。。。
  逆にインパクトのコツを掴んでしまえば、これほど正確に軌道を描くボールはないらしく、
  設計に参加したベッカムは勿論、Jリーグの公式使用球となっていた日本代表選手にとって、
  このボールはかなり有利なファクターだったことだろう。
  1試合に20個程のボールがマルチで使われ、その中の幾つかが、TV局やらなんやらの懸賞として世の中に流れていった。
  ちなみに、決勝戦での使用球。優勝が決まった瞬間のボールは、コッリーナさんが大事そうに抱えていた。。。

  

へ ベッカム

  もはや説明不用の、イングランド代表主将。デイビット・ベッカム。
  彼は、今大会で最も知名度が上がった外国人選手だろう。
  欧州CLでのディポルティボ・ラコルーニャ戦で右足甲骨折というアクシデントに見舞われ、一時はW杯出場断念が囁かれたが、
  マンチェスターUの医療チームによる近代医学の粋を集めた治療によって、奇跡的に回復。
  ただ、残念なことに、本来の彼のプレーが甦ることはなく、本来の実力の5割程度だったのではないだろうか。
  あのベッカムが、本来の姿だったと思った日本の「にわかベッカムファン」には、その勢いでオールド・トラフォードへ乗り込んで欲しい。
  そこにはW杯とはまったく別人のベッカムがいるはずだ。
 

ほ ホスト国

  W杯史上初の共同開催となった今大会。
  成功したと思える面も多々あるとは思うが、運営という面からみると基本的には失敗だったのではと思う。
  W杯には、開催した国を「世界に知ってもらう」という大事な役目があるのだが、今大会はホスト国が2ヶ国。
  欧州や南米のサッカーファンは映像で見る限り、日本人と韓国人の区別はほとんどつかなかったはずで、
  連日放送される日本と韓国のW杯が実際はどちらの国で行われている試合なのかが混同してしまったらしい。
  カーンも嘆いた、決勝トーナメントのドイツvsパラグアイ戦。試合会場のソギポが収容人数の半数ほどしか埋まらず、
  あまりに閑散としたその風景に本国のドイツサポーターも怒りを露にしたようだが、
  それが「日本」で行われた試合だと思ったサポーターもかなり多くいたらしい。
  とてもフェアプレーとはいい難いサポートを続けた韓国の応援を見て「日本は酷い国だ」と思った国もあったと聞く。
  日本と韓国の似て否なる文化も、その違いと特色が正確に海外に伝わったとは考え難く、
  W杯を通じて、海外から日本と韓国へ造詣と理解が深まらなかったとしたら、それは非常に勿体ない事をしたということになる。
  FIFAでも今後、共催という形を採用するのであれば、組織委員会は一つにするという考えを持っているようだし、
  今大会のような、表記の順序問題からポスターのデザイン問題。はたまたマスコットのネーミング問題と、
  両国がエゴを剥き出しにするという醜態が繰り返されることはなくなるかもしれない。
  それでもやはり、ホスト国は基本的に1ヶ国というのが本筋だろう。
  ただ、そうなると、これだけ肥大化した本大会を1ヶ月もの長期間開催できるような設備と通信インフラを提供できる国は、
  現実的に考えるとかなり限られてしまい、日本に再登板が回ってくるという日もそう遠くはないのかもしれない。 

ま マフラー

  サポーターの必須アイテム。
  各国からやってきたサポーターも色とりどりのマフラーを首に巻きつけていた。
  大通り公園や横国周辺には、本国から持参したらしい大量のマフラーを叩き売る外人さんがたくさんいた。
  また、W杯開催競技場内でのみ販売されていた各国のデザインマフラーはいつもかなり早い段階で売り切れ続出。
  一時はヤフオフなんかで、1本1600円のものが15000円まで高騰していた。一番人気はイングランドだったような?
 

み 民放

  サッカーの中継において、今まで民放でこれは!と思ったものはほとんどない。
  今大会もその認識が覆ることはなかった。
  民放はどうしてあそこまで痛い番組が作れるのか、逆に不思議だったりする。

む 無理な日程

  現在ではW杯本大会に32カ国が出場することになったにも係わらず、大会の会期自体は1ヶ月のまま。
  おかげで序盤はともかく、後半の日程は正月の高校サッカーを彷彿とさせる超過密日程になってしまっている。
  選手の疲労が蓄積する大会後半を勝ち抜くにはやはり、ぶ厚い選手層がものをいう。
  それとペース配分。試合をトータルで見た場合は勿論、選手個人個人が自身のスタミナとコンディションを考えながら、
  巧くペース配分をする必要がある。
  その意味で、優勝したブラジルは、チームも選手個人も、このペース配分が絶妙だった。。。  

め 目立ちたがり屋

  今大会最高の目立ちたがり屋くんはロナウドだろう。
  あの「大五郎カット」は、今大会奇抜なヘアスタイルで登場した各国の選手を押しのけて、最高のインパクトを放つものだった。
  ただ、ロナウドがあの奇抜な頭で目立とうとしたのには訳がある。
  一つは、イングランド戦で不要なファールを犯し、トルコ戦への出場停止を喰らったロナウジーニョに対する
  メディア批判が殺到しないようにする為。もう一つは、ロナウド自身が痛めた足の回復具合に
  メディアの関心が集中するのを回避するためである。このように、大五郎カットにはロナウジーニョを気遣う優しさと、
  自らの怪我の具合をカモフラージュするという二つの秘密が隠されていたのだ。

も モヒカン

  「モヒカン・ベスト5」が英紙・デイリーメールで選ばれたように、今大会はモヒカン選手の活躍が光った。
  一時のハードさから一転してソフト・モヒカンのベッカム。ドイツの暴れん坊ツィーゲ。アメリカのマシス。
  そして忘れもしない、トルコ戦で我が日本代表から決勝のヘディングゴールを決めたトルコのユミトダバラ。
  日本からはこの人、別名ウルトダマンこと戸田である。
  ちなみに、モヒカンではないが、日本代表の初戦。ベルギー戦で先発した日本代表選手の11人中10人(信二はクリクリ坊主)が、
  金髪だったのに気づいただろうか。あれを見た外人さんは、日本人っていうのはみんな金髪なんだ・・・と思ったことだろう(笑)
  前回フランス大会で髪を染めようなんて精神的余裕があったのは中田ヒデだけだった事を考えると、
  日本の選手にも髪に気を遣えるような余裕が生まれたんだなぁと、頼もしく思ったりもした。

や ヤフー

  今大会のオフィシャルスポンサーのひとつ。
  日本・韓国のすべての競技場に設置されたスポンサーの横看板にも「YAHOO!」の文字が躍り、
  しかもそのほとんどが端っこ付近だったため、CKの度に「YAHOO!」の文字が大写しになっていた。
  宣伝効果も抜群で、同社の認知度は飛躍的に向上したらしい。
  また、「YAHOO!掲示板」は連日、W杯関連の投稿で賑わい、なかでも「ウィルコール・セールス」のスレッドは、
  チケット購入方法等の情報交換が相次ぎ、投稿数が40000を超えた。
  ちなみに、このスレッドは今でも健在だったりする。オフ会なんかもやってたりする。

ゆ 優勝国

  過去16回のW杯で優勝した国は5つ。
  ウルグアイ=2回。イタリア=3回。ドイツ=3回。ブラジル=4回。イングランド。アルゼンチン=2回。フランス。
  今まで、優勝国は欧州と南米にしかないのだが、ここに興味深い事実がある。それぞれが優勝した大会の開催国を拾ってみると・・・。
  ウルグアイ=ウルグアイ&ブラジル(共に南米)
  イタリア=イタリア&フランス&スペイン(すべて欧州)
  ドイツ=スイス&西ドイツ&イタリア(すべて欧州)
  ブラジル=スウェーデン&チリ&メキシコ&アメリカ(欧州1.中南米2.北米1)
  イングランド=イングランド(本国のみ)
  アルゼンチン=アルゼンチン&メキシコ(共に中南米)
  フランス=フランス(本国のみ)
  このように、ブラジルだけが、ホームの中南米以外で優勝を収めた唯一の国なのだ。
  欧州のクラブで活躍する選手を多く抱えるブラジルの強さなのだろうが、もし欧州の選手たちが南米でプレーする機会が増えたとして、
  欧州各国が南米で開催されるW杯で優勝をさらう姿が想像できるかといわれると・・・。
  今大会で5度目の優勝を飾ったブラジル。そして開催地はアジア。
  世界中のどこでW杯が開催されようと、最高のパフォーマンスを披露できるのがブラジルの「本当の強さ」なのかもしれない。
  ただ、このW杯の歴史が続く限り、日本がW杯で優勝しようと思ったら、アジアで開催される大会まで待つか、
  未だブラジル以外成し得た事のない「快挙」に挑まなければならないことになる。。。

よ 横浜国際総合競技場

  21世紀初。アジア初。そして初共催。と初もの尽くしの今大会の決勝の地である。
  日本vsロシアが行われ、日本がW杯史上初勝利を挙げた場所でもある。
  このように、決勝と日本戦が行われる事になった為、ここでの他の対戦カードはイマイチと評された。
  ただ、もし日本が奇跡的に決勝まで駒を進めていたら、ここでは唯一日本戦が「2試合」開催される可能性(夢?)があったのだ。

ら ラスト出場

  W杯は4年に一度。選手としてのピークをW杯で迎えられなかったサッカー選手も今までに数多くいた事だろう。
  そして、今大会で代表を去り、W杯に再び戻ってくることはない選手も多い。
  今大会で7試合に出場(ベスト4が条件)すれば、W杯最多出場記録を更新できたイタリアのマルディーニ。
  予選リーグ敗退が決まり、ベンチで泣き崩れた姿にはこっちも目頭が熱くなったアルゼンチンのバティストゥータ。
  W杯ではいつも優勝候補とされながら、その強さを発揮できずに涙を呑み続けたスペインのイエロ。
  世界最高GKの座を直接対決の末カーンに奪われたパラグアイのチラベルト。
  4大会に渡って韓国を支え続けた攻守の要、ホン・ミョンボとファン・ソンホンなど。。。
  サッカーの高速化が進み、30代前半でW杯から退かなければならなくなった現実を踏まえると、
  今大会を27〜28才以上で迎えた選手は、次回のドイツ大会でその勇姿を見ることは難しいだろう。
  今大会でW杯を去った選手たちは、W杯に思いを残すことなく、燃え尽きることができたのだろうか。。。

り 陸上トラック

  日本vsチュニジアが行われた長居陸上競技場をはじめ、サッカー専用スタジアムが少ない日本。
  ただでさえ、W杯後も新造された競技場を維持できるのかが地方自治体の懸案事項になるくらいだから、
  W杯はすべてサッカー専用スタジアムで・・・という気は毛頭ないが、横浜国際が陸上トラックを緑の絨毯で覆っていように、
  せめて他の競技場も陸上トラックは覆って欲しかったなぁ・・・と。

る ルイス・フィーゴとルイ・コスタ

  大会前、「今大会はフィーゴの大会になる・・・」と公言するのを躊躇わなかったフィーゴ。
  ポルトガルは’86大会以降W杯に出場できずにいたが、’91Wユースを制覇した「ゴールデンエイジ」が掴み獲った今大会への切符は、
  大躍進を約束するものだと信じていたようだ。
  Euro96でもEuro2000でも好成績を残した、彼ら「ゴールンエイジ」にはW杯の優勝は現実的な目標になっていたらしく、
  予選リーグ敗退という現実は到底受け入れられないものだったことだろう。
  今大会の開幕直前まで、フィーゴは踵を痛めたままだった。欧州CLで限界まで消耗した身体は、既にW杯を存分に戦える状況には
  なかったのかもしれない。ルイにしてみても、フィオレンティーナの破産を受けて、鳴り物入りしたミランでは思うようなプレーが出来ず、
  コンディションの面でも不安を抱えていた。
  そして初戦のアメリカ戦でまさかの敗北を喫し、ポーランド戦ではなんとかチームを立て直す事に成功するも、
  韓国戦では審判にゲームを奪われた。
  ルイス・フィーゴとルイ・コスタ。
  稀代のスタープレーヤー二人のW杯は10代から共に戦ってきた「ゴールデンエイジ」の終焉と共に終わりを告げた。
  残酷な結果と苦い記憶だけを残して。。。

れ レッドカード

  試合中。ゲームの流れを一変させてしまう破壊力を持つ、恐怖の赤い札。
  今大会は「誤審の大会」とあって、レッドカードに対して「そりゃそうだ」と納得できるものがあまりに少なかったような気がする。
  また、スウェーデンvsアルゼンチンでカニージャがベンチに座ったままレッドカードで退場になるという珍事があった。
  いったい、審判になにを言ったのだろう?
  

ろ ロイ・キーンとロビー・キーン

  大会直前に飛び込んできた、ロイ・キーンの代表離脱。
  マッカーシー監督との確執が原因らしいが、アイルランド大統領が仲裁に入ろうとしても、それを受け付けなかった二人のプライド。
  壮絶である。
  この絶対的主将の離脱でチームがどうなってしまうのかと思ったが、主将を切った監督の意地もあるのだろう、
  W杯の予選リーグが始まるまでに、チームは見事にまとまっていた。
  初戦のカメルーン戦、2戦目のドイツ戦。決勝トーナメントのスペイン戦。
  そのいずれもが、相手に先制を許しながら追いつくという粘りの展開。
  ドイツ戦での後半ロスタイムにはロビー・キーンが値千金の同点弾を執念のヘッドで押し込んだ。まさに鳥肌もののゴールだった。
  スペイン戦でも試合終了間際にこれまたロビー・キーンがPKを決め、スタジアムを埋めたアイリッシュを狂喜乱舞させた。
  結局スペインにPK戦の末敗れたが、アイルランドサッカーここにあり!を全世界に知らしめた大会だった。
  素晴らしいチームワーク。最後の最後まで絶対に諦めない、ひたむきさ。とにかくいいチームだった。

わ ワトソンくん

  朝のフジテレビのワイドショー「とくダネ」で密着取材をしていたイングランドサポーターの青年。
  「W杯を観に行きたいから休みをくれ。といったら、ダメだと言われたから、会社を辞めた・・・」というワトソンくん。
  彼のように、仕事を辞めるとまではいかないまでも、海外にはW杯に並々ならぬ愛情を注いでいるサポーターは多い。
  前のフランス大会が終わってから、お金と休暇を貯め、今回の韓日大会でそれを一気に吐きだす。
  安いホテルや健康ランド、はたまたカプセルホテルに泊まり、本国がトーナメントを勝ち進む限り、チームを追いかけ続けるのだ。
  羨ましい限りだ。出来る事ならドイツ大会までお金を貯めて、休暇を1ヶ月貰って、日本代表を追いかけてみたい。。。

を ををををーーーっ!

  試合中。言葉にならない奇声。上げてませんか?

ん ん?

  疑問だらけのW杯。
  チケット問題。空席問題。審判問題。トルシエ采配。
  ただ、それらもすべてひっくるめてW杯だったりする。
  

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