Calcio is My Life

「偶然のなかの必然」

 FIFAコンフェデレーションズ・カップ2001。
 我が日本代表は「な、なんと!」決勝トーナメント進出にあき足らず、決勝進出を決めた。
 こう文章で書くと、文面的には「冷静」だが、本人は今、「かなり興奮」している。
 嵐のような天気の中、今日の準決勝で「オージー」を破った瞬間、ちょっと「泣きそう」になったほど・・・。
 
 さて、ここでは今回、我が日本代表の「決勝進出」を祝って、「決勝までを振りかえる」コラムを「緊急執筆」します。
 軽い興奮のなか、「書き殴っちゃる」ぐらいな勢いなので、文章表現などに「不適当」な個所があるかもしれません。予めお断りしておきます。

 m(_ _)m  ごめんなさい  m(_ _)m 
 
 まず、日本代表が「決勝進出」を決めた事に関しては、文句のつけようが無い。
 ただ、「勝って兜の緒をしめよ」という言葉がしめすとおり、ここで今ひとつ、予選リーグと今日の準決勝を振り返りたい。
 今回のコラムは、日本代表が「決勝進出」を決め、気分上々な方には、「頭から冷や水を浴びせる」行為に等しい為、「軽く聞き流す」程度にお考え頂きたい。もし、今の高揚した気分を「害されたくない!」という方は、決勝戦後にお読み頂くことを強くお奨め致します。

     「決勝戦後に読もう」と思われた方はこちらコラム「Topページ」へJump♪



 
 さて、今回のコンフェデでとにかく注目したかったのは、ディフェンスとアタックの「バランス」である。サンドニで「0−5」と大敗した反動で、スペインでは「5バック」という超守備的を敷き、攻撃の型を忘れてしまった日本代表がどういった「戦術」で挑むのか、このことに注目して話を進めよう。
 
 それではまず、「予選リーグ回顧」から。
 
 まず、第1戦「カナダ戦」。
 セレソン、カメルーンと同組となった日本代表は、この試合だけは「絶対」に勝たなくてはならない一戦だった。
 またこの試合は、フランス戦、スペイン戦と無得点に終わり、再び「決定力不足の迷宮」に迷い込んだ代表が、どうやって相手を崩すのかという点に注目が集まっていたのだが、結果はご存知のとうり、「3−0」での勝利。セレソンがカメルーンに「2−0」で勝利した後のゲームだけに、大きな意味をもつ「3−0」だった。内容的にもそう悪くはなかったが、勝って喜ぶだけでは「チームとして進歩」がないので、あえて問題点を探してみる。
 すると、やはりトルシエの「選手起用」に問題があるような気がする。
 この試合では、当初の報道をあざ笑うかのように、左サイドハーフに「小野(以下、伸ちゃん)」を起用。結果、伸ちゃんは「芸術的なFK」で先制点を挙げ、ダメ押しとなるモリシの3点目をアシストした。それでもあえて言おう!「伸ちゃんの左サイドハーフはダメだ!」
 何故なら、左サイドハーフは選手が余っているからだ。コンフェデはW杯本大会へ向けての「シミュレーション」である。何度も言うが、予選がない日本代表は今回のコンフェデをも含めた試合全てに「本気モード」で挑む必要がある。そうなると、W杯本大会で「左サイドハーフ」を務めるのはだれか?それはエスパルスの「アレックス」だ。怪我や日本国籍取得に問題がない限り、「本命」だと思っている。今現在でも、俊輔(今大会はいないが・・)やアツがいる。ここにあえて、伸ちゃんを使う「意図」が分からない。
 もし本気でW杯本大会でも伸ちゃんを使うつもりならば、左サイドハーフはダメだ。実際、左サイドでのプレーにはそれほど光るものは無かったし、伸ちゃんの守備力には?がつく。現在、サイド攻撃は世界の常識になっている。その為、サイドハーフには世界的な選手が数多く存在する。伸ちゃんが左サイドを担当する場合、マッチアップする相手国は右サイドとなるが、フランスには「カンデラ」、セレソンには「カフー」、イングランドには「ベッカム」とそうそうたるメンバーが顔を揃える。これらのレベルの選手とマッチアップした際、伸ちゃんの守備力では、なんとも心もとないし、守備に専念させてしまっては伸ちゃんを使う意味がない。今大会で言えば、伸ちゃんが抜かれた際の周りの選手のカバーリングも充分とは言えなかった。
 伸ちゃんが最も光るのはやはり「トップ下」。この試合の3点目のアシストもトップ下から供給されたものだが、トップ下には、「中田ヒデ」が王様として君臨しているし、その地位を俊輔も虎視眈々と狙っている。そういった意味でも、今回伸ちゃんは「ボランチ」もしくは、「右サイド」で使ってみて欲しかった。右サイドが本職の波戸や明神には申し訳ないが、もし本気で中田ヒデと同時もしくは俊輔と同時にピッチで使いたいならば、それしか道はない。最後の手段として、中田ヒデをFWに上げるという手もあるが・・・。
 そう思いつつ、予選リーグ3試合と準決勝を見つめていたが、伸ちゃんは「左サイドハーフ」だけだった。残念。
 とまあ、カナダ戦に関してはこれぐらいか。ただ、試合開始直後のDF上村の動きは恐ろしく、かなりヒヤヒヤさせられた。
 前半でその上村に代えてゴンちゃんを投入し、イナのワンボランチと戸田の右サイドバックへのコンバートなど、チームのバランスを第一に考えるトルシエとは思えない「大バクチ」も見せてもらった。
 何が彼をそうさせたのか?謎である。
 ただ、最後に付け加えるならば、この試合のMVPは川口だということ。前半、何度も決定的な場面をスーパーセーブでしのいでくれた。もし、あれがなければ、まったく違った結果になっていたかもしれない。
 
 続いて、第2戦「カメルーン戦」。
 予選リーグの第1戦でブラジルに敗れたカメルーンは、この試合を落とすと予選敗退が決定してしまうという「崖っぷち」の状態だった。シドニーオリンピックでは金メダルをも獲得し、もはやアフリカ大陸では敵なしのライオンが最高のモチベーションで日本代表に牙を剥いた。
 これも結果から書くが「2−0」での勝利。
 また、ここ数年内の日本代表の試合の中では「最高のデキ」と言ってもいいほど選手全員が集中し、まとまっていたと思う。前線と最終ラインまでが非常にコンパクトで、ライオンたち(エムボマまでも)は、おもしろいようにオフサイドの網に掛かっていった。前線と最終ラインがコンパクトだと、選手間の距離もぐっと近くなり、これまたおもしろいようにショートパス、ワンタッチ・ツータッチパスが繋がり、ライオンたちはその周りを右往左往していた。
 高い位置からのプレス。ボールを奪ってからの速攻。まるで「いい時のコンサの試合」を見ているような感じ。中盤の組織力で完全にライオンを圧倒。このサッカーが、どんな相手にでもできるのであれば、「フラット3」でも戦えることを証明した試合でもあった。
 日本代表の貴重な2得点は、「遅れてきた金狼」鈴木だ。1点目はこの日、左サイドバックに入ったK・中田からの鹿島ホットラインとなる絶妙なロングクロスを落ちついて決めた。2点目は、西澤アキが敵陣深く粘っこいプレーで奪ったボールをモリシがセンタリング→鈴木がフリーで頭で合わせ、キーパーのキャッチミスを誘った。
 こういった大きな大会では、なぜか「シンデレラ・ボーイ」が現れるものだ。もちろん実力に裏打ちされた上での話だが、得てしてこういうケースが多い。鈴木に至っては、高原&ヤナギの欠場で巡ってきた「タナボタ出場」だし、こういった選手の「運の強さ」には驚かされる。彼はこの試合で一躍「時の人」となり、W杯本大会でのFW争いでも「頭ひとつ」抜け出した。
 さて、この試合から、何を学ぼうか。果たして問題点などあるのか。
 ちょっと苦しいが、あえて一つだけ。
 DFラインの選手は固定した方がいいと思う。日本代表の「フラット3」はDFの生命線なのだからDFラインの3人は固定すべきだ。確かに、コンフェデでテストを兼ねて選手を入れ替えているという側面は納得できるが、前半の後半部分でカメルーンの猛攻にDFラインが慌てたところなんかを見ると、ある程度は固定(特にCBは絶対固定にして欲しい)した方が、ギリギリの場面では、意思の疎通がとりやすいと思う。
 とはいうものの、正直なところこの試合に関しては言うことないです。ホントいい試合でした。

 さてさて、第3戦「セレソン戦」。
 セレソンのメンバーが発表された時「なんだそりゃ」って思った。知ってる選手がほとんど、というか一人(ペルージャ所属のゼマリア)しかいない。ハッキリ言おう、2軍のセレソンだった。コンフェデをなめたのか、はたまたこのメンバーで本気で勝ちに来たのか?それでも、セレソンを名乗る以上、不様な負けは許されない訳で、それなりの自信はあったのだろう。だが、来日直後の1969とのテストマッチを見る限り、時差ボケを割り引いても、とても王者セレソンと呼べる代物ではなかった。にもかかわらず、カメルーンに「2−0」で快勝してしまうあたりが、セレソンのセレソンたる所以か。
 この試合。日本代表は既に予選突破を決めていた為、トルシエはこの試合を「お祭り」と称し、これまでの2試合であまり出番がなかった選手たちを積極的に使うということだった。その最たるものが、GK都築の起用だった。今まで、川口・楢崎に次ぐ第3キーパーとしての登録が多かった彼にとって、代表初スタメンがセレソンだった。恐らく、とんでもなく緊張したことだろう。事実、試合開始直後にDFからのバックパスを見事に「ミスキック」し、あわやという場面を演出。見ているこっちも、かなり緊張させてもらった。ただ、彼自身はこれで落ちついたのか、その後は堅実な守りを披露。日本代表のゴールマウスを守り続けた。
 この試合では更に、FWに山下・右サイドハーフにはスペイン戦での活躍が記憶に新しい波戸が出場。山下は鈴木のように「シンデレラ・ボーイ」にはなれなかったが、前線でおしい場面もあり、上々代表デビューだったのでは。そして、波戸。ここが問題。
 波戸はちょっと下がり過ぎる傾向がある。この試合も左サイドハーフでの出場だった伸ちゃんは、マッチアップしたゼマリアに押し込まれて、前線に飛び出すことがほとんど出来ずにいた。こうなると、右サイドからの突破に期待がかかるのだが、波戸がどうにも積極的に上がってこない。セレソンにちょっと押し込まれると、ずるずると下がってしまって、最終ラインに合流してしまう。そう「フラット5」の完成だ。
 これは多分、波戸が代表デビューしたスペイン戦の影響だろう。あの時敷いた「フラット5」のタイミングを身体が覚えてしまっている為に、彼自身気がつかない内に最終ラインに合流してしまっていたのだろう。
 こうなると、第2戦のカメルーン戦で見せた「コンパクトなサッカー」は完全になりを潜め、防戦一方の時間帯が続いた。それでも、2軍セレソンの決定力不足も深刻で、何度も危ない場面を迎えながら、セレソンFWワシントンくんに助けてもらった。感謝。
 トルシはこの試合を「お祭り」と称したが、実は重要な意味を試合だった。というのも、一足先に予選リーグが終了したA組では、フランスが同組1位となり、2位にはそのフランスを撃破したオージーが滑りこんだ。
 もしこの試合、セレソンに勝つか引き分けると、準決勝の相手は「オージー」だが、負けてしまうと「フランス」との対戦になってしまう。それだけはなんとしても避けたい。どうせフランスとやるなら、決勝がいいに決まっている。
 だから、後半途中からは「引き分け狙い」ともとれる、守備重視の布陣へ移行していった。こうなると、かさになって攻め立てるセレソン。だがそのことごとくを、都築を中心とするDF陣が耐えしのぎ、堂々の引き分け。なんと、予選3試合を無失点。
 日本は予選B組1位で、今日の「オージー戦」へと、駒を進めた。

 そして遂に、準決勝「オーストラリア戦」。
 この日、個人的には朝から、試合内容云々より、中田ヒデの動向が気になって仕方なかった。
 ヒデはこの準決勝後、イタリアへ帰るのか、それとも残るのか?
 「セリエばか」のボクとしては、絶対に帰るべきだと思っていた。確かに、コンフェデようなFIFA主催の国際大会で決勝進出ともなれば、ヒデには残って欲しいと思う。ただ、イタリアからこっちへ来る時、ローマのセンシ会長は「予選3試合に限る」という約束を、協会と交わしたらしい。18年ぶりのスクデット獲得にあと一歩と迫っているローマとしては、ヒデは絶対に欠かせない選手だからだ。
 そもそも、欧州では代表の試合よりもクラブの試合を重んじる傾向がある。サポーターもまた然り。もし、この状態でヒデがローマに戻らなかったとしよう。それは、ヒデの帰りを心待ちにしているロマニスタたちを裏切ることになってしまう。ヒデは俺たちとスクデットを獲得することよりも、コンフェデを選んだ!と。
 そうなると、ヒデの人気は失墜してしまう。「スクデットを棒に振った男」として、今後イタリアでサッカーをするのも難しくなるだろう。ローマに限らず、今後ヒデが所属するチームは「ヒデの日本への帰国」を強行に反対するのは確実で、日本サッカー協会は「約束を守らない」という、レッテルを貼られることになる。FIFAの規約を楯にヒデを強制的に召集する事は可能だが、それはあまり好ましくないことだし。また、最悪の場合、激怒したセンシ会長がヒデの移籍を完全凍結し「ローマで飼い殺す」のではないかと、正直気が気ではなかった。 
 結果は、試合後トルシエとの直接会談で、ローマへの帰還が決まったようだ。心の底から、ホッとした。
 話がヒデ一辺倒になってしまったが、今日の試合、結果はご存知のように、「1−0」での勝利。これまたヒデの、豪快なFKが決勝点になり、ヒデは最後に日本に最高のプレゼントを残してくれた。
 豪雨の中の試合は熾烈を極め、鈴木が一発レッドを食らった時にはさすがに焦った。まだ、彼がFWだったから良かったようなものだ。
 これだけ雨が降ると、技術の差がなくなってしまう。逆に身長の高い「オージーたち」には有利な展開で、ここまでツキまくっていた分、ここでしっぺ返しを食らったようなモノだろうか。
 準決勝の試合内容は特に書くこともない。
 ただ、「勝ちたい!」と思う気持ちが、日本の方が「ちょっとだけ」大きかったのだろう。それぐらい、死力を尽くしたゲームだった思う。

 ココまで書いてきて思った事は、とにかく今回のコンフェデは、日本代表にツイていたということ。
 予選リーグだって、初戦がカナダではなく、カメルーンだったら、違う結果だったかもしれないし。
 2戦目のカメルーン戦だって、カメルーンはチーム状態が決して良くはなかった。主力選手が韓国内で逮捕されたり、合流するはずの選手は行方不明になるなど、チームのまとまりに欠けていたという点は否めない。
 3戦目のセレソンは、2軍だった。という点に尽きる。もしあれが、正規のメンバーたちだったら、正直勝てる内容ではなかったと思う。
 準決勝のオージー戦は、彼らには悪いが、フランスじゃなくて良かった。ということになるだろう。
 こう考えると、ココまでこれたこと自体、偶然のようにも思えるが、偶然のなかには必ず必然があるわけで、その必然をこれからW杯本大会に向けて増やしていく作業をしていきたい。
 
 そして6月10日。FIFAコンフェデレーションズ・カップ2001「決勝」 vs ル・ブルー戦。
 今、日本代表が持っているもの全てをぶつけて挑みたい。
 スタメン6枚落ちの「ル・ブルー」に一泡吹かせてやろう。
 
 結果は、「観戦日記・番外編」として試合後、近日中にアップします。
 どうぞ、お楽しみに。     

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