Calcio is My Life
「打て!」ではなく「入れろ!」
とは、セルジオ越後氏の著書「日本サッカー 勝つための準備」講談社、からの言葉である。
この言葉の意味を解説する前に、まずイメージして頂きたい。
コンサvs鹿島アントラーズ。後半ロスタイムで0−1と鹿島がリード。
コンサFW播戸が鋭いドリブルでゴール前に突入。鹿島DF秋田の厳しいチェックを受け、たまらず右サイドを上がってきたMF田淵へパス。これを田淵がキレイに折り返し、ゴール前は大混戦。これに慌てた鹿島GK高桑の中途半端なクリアが、ゴール前に詰めていたフリーのコンサMF野々村の真正面に!!!
この時、あなたはどう叫びますか?
1.打てー!
2.シュートー!
3.決めろー!
4.入れろー!
あなたは何番でしたか?
ほとんどの人が「1.打てー!」か「2.シュート−!」ではなかったでしょうか?
実はこれが、日本サッカーと海外サッカーの決定的な違いなんです。
海外ではほとんどが「3.決めろー!」か「4.入れろー!」だそうです。
実際、テレビでサッカー中継を見ていると前半終了時なんかに「シュート数」が紹介されますが、日本のテレビ局の場合、ほとんどが「シュート数」なのに対し、海外(イタリアのセリエの場合)のテレビ局は「TIRI IN PORTA(ティリ イン ポルタ)=枠に跳んだシュート数」を紹介します。
つまり、枠に飛ばないシュートは「シュートと認めない」のです。
ところが日本はテレビ局を始め、ほとんどのメディアが「シュート数(枠に跳ぶ、跳ばないは関係ない)」が20本だの15本だのと紹介します。
これっておかしい・・・。と、ずーっと思っていました。
そこで、冒頭にも紹介しましたが、セルジオ越後氏の著書によると、ブラジルではとにかく「入れろ!」だそうです。日本のコーチがゴール前ではとにかく「シュート!」と叫ぶのを見て、凄く驚いたと本では述べています。ちなみに日本では中盤でこぼれたボールは「拾え!」と言いますが、ブラジルでは「パスしろ!」と言うそうです。シュートは「枠に入れてナンボ」、こぼれダマは「味方へのパスが通ってナンボ」という認識。つまり、狙うレベルが違うということです。
いくらシュートを打ったところで、枠に跳ばなければ得点チャンスはありません。相手DFに当たって入るのは奇跡です。ですから、未だにサッカーの中継で解説者が「ドコ蹴ってんだ!」シュートに対して、「イイですよー。シュートで終わる事が大事なんです」って言ってるのを聞くと、ガッカリします。確かにシュートで終わるのは大事だけど、そのシュートが枠に跳ばなきゃイイわけないと思うんです。特にゴール前のミドルレンジからのシュートをフリーなのに大外ししても、このコメントが発せられることがあります。
なんで?って思いませんか。
せっかくのシュートチャンス。しかもフリーで、枠に跳ばないシュート。これって、「ミスキック」なのでは?
これを「イイですよー!あの位置からでも、シュートを見せておくのが大事なんです」って言っちゃう始末。枠に跳ばなきゃキーパーだって怖くもなんともないと思うのだが・・・。
ここらで、各メディアもそれを見るサポーターも「それは違う!」と言う意識改革が必要だと思うのです。
特に来季のコンサにしてみれば、J1の厚い守備に阻まれて、そうそうシュートチャンスが巡ってこないはずです。そこで、せっかく得たシュートチャンスを確実にモノのするには、シュートの正確性。つまり、どれだけ枠を捉えられるかにかかってくると思います。シュート数なんて3本でもいいんです。その全てが枠に跳び、その内の1本がゴールに突き刺さってくれれば。逆を言えば、苦し紛れのどうでもいいシュートを20本打ったからって、勝てないんです。シュート数を競う競技じゃないんですから。
イタリアの至宝、ロベルト・バッジョがかつてW杯でシュート数はたったの5本。そのうち3ゴール。というのをやってのけた事があります。これも、普段からセリエでシュートは枠に入れてナンボ。数打ちゃいいってモノではないことを体で知っているからです。
日本のサッカーも早くそうなって欲しい。それにはメディアの力=シュート数ではなく、枠に跳んだシュート数のみを紹介する。であったり、僕らサポーターも、フリーで打ったのに枠を大外しした選手に、「今のいいよー」と拍手を贈るのではなく、ちょっと怒ってみるのも必要なのかも知れない。そうじゃないと、世界の大舞台では「決定力のない」日本代表の姿をいつまでも見せられ続けることになりそうで・・・。
来季はこの辺も踏まえてサッカーを見てみてはいかがでしょうか?

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