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「J2制覇。そして来季へ・・・。」

 J2制覇。昨季、昇格争いにさえ参加できなかったコンサが、今季はぶっちぎりでJ2を制した。
 何故か?
 そえはまず、岡田監督の存在。彼の続投なくして今季の躍進はなかったと断言できる。
 岡田監督は今季、監督としてのキャリアを積む上で「絶対に」失敗は許されない年だった。昨季の惨敗は、監督自らがシーズン終了後の会見で述べたように、「J2を舐めていた」のが最大の原因だが、外人選手補強にことごとく失敗したフロントにも責任がないとはいえない。 
 しかし今季は、監督自らが今季を戦い抜く為の選手を呼び集め、エメという意外な宝モノまで手に入れた。そして、チームは16連勝などという途方もない記録を打ちたてて、J2を制覇。岡田監督はコンサと自らの監督生命を、見事に崖っぷちから救って見せた。
 とまあ、この辺の事情は多方面で同じような内容の記事がこぞって書かれたので、これ以上深くは触れないでおく。

 そして来季。コンサは2度目のJ1(かつてはJ)に挑む。
 
 そこで、コンサの来季の目標を考えてみることにしよう。
 僕的に来季は、1st・2ndステージとも5勝10敗の勝ち点15ずつ。合計「勝ち点30」。が目標になると思う。これは偶然にも岡田監督も同じコトを言っていた。「勝ち点30」ということは、今季では13位ヴィッセル神戸「勝ち点33」と14位JEF市原「勝ち点28」の間となり、ぎりぎりながら残留圏内を確保できる。来季のコンサはこれでイイ。残留以外は何もいらない。
 岡田監督も言っていたが、「コンサドーレはどうしたって、ビッグクラブにはなれない」。
 そのとうりである。
 大企業をスポンサーに持ち、その豊かな資金力で数多くの日本代表を抱え、更には強力な外国人を擁して、常に優勝を狙える位置にあるクラブを「ビッグクラブ」と呼ぶ。Jリーグでは、ジュビロ磐田、鹿島アントラーズ、横浜Fマリノス、あたりがそれに当たる。
 コンサには大企業のスポンサーもなく、必然的にチームの台所は苦しい。コンサはどうしたって、上記3チームのようにはなれないのだ。
 Jリーグが1993年に発足してから8年が過ぎ、Jリーグにも「チームの格付け」が出来てきた事の証明といえる。
 
 「チームの格付け」について解り易い例としてイタリア(セリエ)の話をしてみようと思う。セリエAは現在18チームで構成されていて、常に優勝を狙えるチームを「ビッグ7(セブン)」と呼ぶ。ラツィオ(LAZIO)、ユーベ(JUVENTUS)、ミラン(MILAN)、インテル(INTERNAZIONALE)、パルマ(PARMA)、ローマ(ROMA)、フィオレンティーナ(FIORENTINA)の7つのクラブ。セリエAでは、この7チーム以外は優勝(スクデッド)を「狙えない」。と、いうより「狙わない」。最初から優勝する気などさらさらないのだ。優勝できれば「ラッキー」と思う程度。こう書くと不思議に思うかもしれないが、実際にセリエAで「ビッグ7」以外のチーム(プロヴィンチャと呼ぶ)が優勝したのは、1990−1991シーズンの「サンプドリア」まで遡る。ならば、18チームも要らないのでは?とも思うが、実は「プロヴィンチャ」にはちゃんと「役割」がある。
 若手選手の育成である。
 イタリアのユース代表のような「エリートコース」に乗れなかった、若くて才能のある選手。こういった選手がもし「ビッグ7」のクラブにイキナリ入団したとしよう。すると、「ビッグクラブ」の厚い、厚〜い選手層に阻まれて、いつまでも出場機会が回ってこない。その内に歳だけ食って、お払い箱。という事になってしまう。
 それを回避する為に、才能のありそうな選手はまず「プロヴィンチャ」に入団するのだ。そこでいい成績を残せば、「ビッグ7」から移籍の誘いが舞い込む。例えば中田ヒデ。ヒデが最初に所属したペルージャ(PERUGIA)は典型的な「プロビンチャ」だ。ペルージャは、湘南ベルマーレから3億円でヒデを買い、昨季ローマ(ROMA)に15億円で買い取られた。実に12億円得したことになる。
 これは最高に得をした例だが、金額の大小はあれ、これが日常的に行なわれている。 
 つまり、若い選手にとって「プロヴィンチャ」とは、「ビッグクラブ」へアピールの場として存在し、クラブ側としては若い選手は「資金調達」の道具(言い方が悪いかも知れないが)として、お互いを利用しあっている。これが「プロヴィンチャ」の存在意義であり、セリエAに不可欠な理由である。

 これからJリーグもこれと同じような方向へ進んでいくのではないかと思う。ただ、日本は「義理と人情」の国だから、セリエほど選手の移籍に関してドライに割り切れない事が多々あるとも思うが。
 
 コンサもこの「プロヴィンチャ」と同じだと思う。優勝を狙う事はできないが、選手を育てることはできる。もし、有能な若手を獲得できて、その選手が何年後かに10倍の値段で他のクラブに移籍することもありうる。今季、川崎FからFC東京へレンタル移籍していた、ブラジル人FWツゥットが10倍の値段で移籍したように、外国人でも起こりうる事で、その意味でもエメのパス獲得失敗は残念だったと思う。
 この「プロヴィンチャ」的役割を果たす為にも、コンサにはとにかくJ1に定着して欲しいと思う。常に降格争いを演じているようなチームになってしまうと、若手選手の育成どころでは無くなってしまい、今季同様にメンバーがある程度「固定」されてしまう可能性が高いからだ。
 J1で目標としたいのは「サンフレッチェ広島」。ちょっと地味だと思われるかもしれないが、サンフレッチェはここ数年降格争いに加わった事がない。1994年の1stステージ(当時はサントリーシリーズと呼ばれていた)には高木琢也を擁してステージ優勝もしている。現役代表にはFW久保がいて、五輪候補だったMF藤本もいる。ちょっと古くなると、FW高木琢也、GK前川(現、大分)、MF森保らを輩出している、「中堅の強豪」チームだと思う。
 川渕チェアマンは現在のJ1の格付けを「A、B、Cランク」として、コンサを降格ボーダーな「Cランク」と評したが、現段階ではいたし方ないような気がする。今季の戦力ではどうしたって「A・ビッグクラブ」と対等に戦えるとは思えない。「B・中堅クラブ」に確実に勝てる気もしない。となると、やはり・・・。
 ただ、これに関しては、今季オフの選手補強等で若干状況が変わるかもしれない。
 
 とにかくJ1に定着する事。
 その下地を作ると言った岡田監督の言葉を信じたい。
 
 そしていつの日か、J1制覇の夢をみんなで叶えたい。 

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